通訳ヌナと…【Jungkook：6】

会いたい -Jungkook- ページ4

案の定、日付が変わる前にはホテルの部屋に着いて、
これならヌナに会えたのに…って思った。

着いたよ、
訳のわからない望みを込めて送ったカトク。

すぐに返信が来て、
お疲れ様、ゆっくり休んでね…って。


後悔すんなら初めから変なことすんな


ユンギヒョンの言葉が頭を回り続けてる。

今から…？

ううん。
そんなことはできない。

マネージャーにも今日は行かないって
言ってしまったし、
何よりヌナに、いまさら…

おやすみ、ってヌナの言葉。

ただの挨拶なのか、
もう寝るっていう意味なのか…

いろいろ考えて、
考えるだけ考えて、
動くことはできずに布団に潜り込んだ。

最初、
この部屋に入った時驚いた。

いつもはベッドなのに、
日本だから？
畳の部屋が奥にあって、
寝る時はそこに布団を敷いて寝るんだけど…

ストレッチもしやすくて、
すごく気に入ってて、
ヌナが見たら…
どう思うかな？って考えたりしてたのに。

布団に潜り込んでもこの調子。
寝れるわけなんかなくて。


寝たんだか寝てないんだか、
よくわからないまま朝になり、
集合時間になり、
昨日と同じ、
会場に向かったんだけど…

昨日と違い、
我慢とか、避けるとか、
もうそんな気力もなく、
見るだけでもいいからヌナに会いたくて控え室に入ったんだけど…

どうしてか今日はヌナがいなくて。

ポケットから取り出したスマホ。
既読にならないメッセージ。

たまらず、
仕事中なんだろうってわかりつつも、
かけてしまった電話。

でも聞こえるのは呼び出し音だけで、
いくら鳴らしてもヌナは出てくれなかった。


どうしたんだろう？


なんかもう、
心ここにあらずの状態。

ヌナがいない。

会いたいのに。

もう無理なのに。

なのにヌナがいない。


「テギュヒョンが調子悪いんだって。朝イチで呼び出されて、機材トラブルの対応してるってさ」

「ヒョン」

「お前丸わかり。違う意味でテヒョンと一緒。お前は目でバレバレ」

なんでもお見通しなユンギヒョン。

僕だって、
ユンギヒョンみたいに大人で、
余裕でいられたら…
だったらいいのに。




「あ…ヌナ！」

リハーサルする為ステージに向かうと、
地面に資料を広げ、
座り込み、
何やら書いているヌナが目に飛び込んできて。

すぐさま駆け寄った僕に対し、
珍しく、
周りにいたヒョン達は何も言わなかった。

「ヌナ」

駆け寄って、
座り込むヌナに向け声をかけると…

パッと顔を上げ、
僕を見てくれた…僕のヌナ。

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