通訳ヌナと…【Jungkook：6】

会いたい -You- ページ11

〈お疲れ様〉
〈ごめんね。結局スマホをとりに帰れなくて、朝くれたカトク、今読んだよ〉


ホテルに着き、
大浴場にお風呂に入りに行くというオンニ達。

仕事の連絡しなきゃいけないから、と断って、
先に行ってもらい、
悩みに悩んで送った当たり障りのないカトク。

でも待てども既読にはならなくて。

〈今夜、会えるかな？〉

返事を待てなくて、
さらに送った。

もう限界。
グクに会いたい。

でもそのカトクも既読にはならず、
電話しよう…そう思った時、
お風呂に行ったオンニから、
まだ来ないのか？と電話が掛かってきて…

仕方なく用意をし、
大浴場へと向かった。



ずっとずっと。
静岡ではおかしかったグク。

みんながいるのに急に普通に話しかけてきたり、
病院の付き添いのこととか、
しかも…

お邪魔しました、とか。
消えますんで、とか。
失礼しました、とか。

どうしてあんなこと言うの？
あんな言い方…


絡まった糸のように、
どんどんぐちゃぐちゃになっていくグクと私。

カトクじゃ無理で、
電話でも無理で、
だから…会わなきゃ解けないのに。
早く解きたいのに。

考えながら入っていたお風呂。
オンニ達はとっくに部屋に帰っており、
つい一人で長風呂をしてしまった。

お風呂から上がり、
まだ着替えてもないのに気になって見たスマホ。

きっと連絡はないよ…
でももしかしたら…

そう思って恐る恐る見ると、
グクからカトクがあった！

《会えますよ》

ただそれだけ。

会える？って聞いて、
その答えだけ。

会いたいとは言われてないけど、
そんなのもうどうだっていい。

どうしたって私が、
私がすごくすごくグクに会いたいから。

急いで着替え大浴場を出ると、
もうすぐ日付が変わりそうな遅い時間。

周りに人はいなくて、
隅に移動し、たまらずグクに電話を掛けた。

出てくれなかったらどうしよう…

不安になりながら耳に響くコール音。

４回目…５回目…

出ない…
切った方がいい？

でも…

６回目…そして７回目の途中、
プツッとコール音が途切れ、

「もしもし」

聞こえたグクの声。

聞こえた瞬間目頭に涙が溢れ、
ギュッと唇を噛み締めた。

「ヌナ？」

「グク…」

「はい」

「会いたい」

涙を堪えながら想いを口にするも、
そんな私とは反対に、
ずっと淡々としていたグク。

教えてもらった部屋番号。

とりあえず自分の部屋に戻ると、
オンニ達はベッドの上で寝落ちしてて。

マッサージしに行くってメモを残し、
部屋を出た。

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