通訳ヌナと…【Jungkook：6】

もっと -Jungkook- ページ14

そばに来たヌナ。

息遣いというか、
気配をすごく強く感じて。

適当にタップしてる画面。

もう全神経は後ろに集中してて。


「グク？」

呼ばれた名前。

スマホを通してとかじゃなく、
生の声に、
声だけで身体がゾクッと反応した。

「はい」

できるだけ気持ちを抑え、
動揺してるのがバレないように返事をした。

「私…来て邪魔じゃなかった？」

え…？

「邪魔？」

「うん。ほら、ゲームしてるし」

「あ、ならやめます」

いい加減やり過ぎた！
失礼すぎる！
だからヌナがそんなことを聞いてきたんだ！

邪魔なんて、
そんなこと絶対にないのに！

だから慌ててヌナの方を振り向いたら、

「やめないで！」

「え？」

そう言いながら、
スマホを持つ僕の腕を掴んできて。

「してていいから！だからちょっとだけ…邪魔になったらやめるから…」

「ヌナ？」

すごく言いにくそうに、
目を潤ませながら、
顔もほんのりと赤くて…

「背中…ちょっとだけ…ギュッてしてもいい？」

真っ直ぐと目を見ながらそう言われて。

え…
今…なんて言った？

僕の聞き間違い…じゃないよね？

自分の心臓の音。
バクバクと鳴ってるのが聞こえて。

と、同時に、
あの感覚…胸が弾み出した。

「ギュッてしたいんですか？」

平静を装いながら、
求めてくれる言葉が聞きたくて聞くと、
声には出さず、ヌナが小さくコクリと頷いたから。

「どうして？」

もっと言って。
もっと求めて。

「その…グクに…」

「僕に？」

「触りたいから」

恥ずかしそうなヌナ。

飛び上がりそうな嬉しさを抑え、
どんどん欲深くなる僕。

「嘘ですね。だってヌナ、そんな素振り一切見せなかったじゃないですか。会わなくても話さなくても平気そうだったし」

溜まった不満さえぶつけると、

「そんな…平気なんかじゃっ、それに…嘘じゃないよ！私本当にグクに触りたくて、」

「本当に？」

「本当に！」

「テギュヒョンにじゃなくて？」

「グク！」

「ゼヒョンヒョンでもなくて？」

「ちょっ、」

「本当に僕にですか？」

「グクにしか思ってない！」

もう溢れるんじゃない？
涙が溜まったヌナの目。

必死になって言い返してきて、
空っぽだった自分がヌナで満ちていくのがわかる。

「ならどうぞ」

偉そうに、
いまだ素直にはなれなくて。

前を向き、
ヌナに向けた背中。

向けたと同時、
ギュッと抱きついてきたヌナ。

柔らかなヌナの身体。

触れられた所…
熱くなって溶けそうで。

彼女 -You-→←限界 -You-

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