通訳ヌナと…【Jungkook：3】

ジミンくん -You- ページ20

どうしたのか？と聞かれても、
一瞬グクくんの方を見、
なんて答えたらいいか思いつかなくて…

そばにいたからか、

「お知り合い…ですか？」

と、聞かれたけど、
ますますもう…
なんて答えたらいいかわからなくて。

そしたら、
もしかして…と呟きながら、
階段を上って来られたテウンさん。

もしかしてって何？
と思っていたら、

「ジョングガー。ジョン…っ！グク！」

また廊下の方から大きな声がして、
突然聞こえた大きな声にもだけど、
その人が呼ぶ名前が…

ジョングク。

その名前を聞くだけで心臓が爆発しそうだったのに、その人が目の前に現れて、
と、思ったら、
私の前で座り込む人…に近づいて、
グクって…っ！

「遅いから来てみれば…どうした？…って…え…？A…ヌナ？」




もうね、
頭が真っ白だった。

ジョングク…と呼び、
廊下に現れた人は…
テレビで見る通り、
私の記憶の中にある姿から何十倍も大人に成長したジミンくんだった。

…ってことは、
やっぱりここに座ってるのはグクくんで、
…ってことは、
さっき私のことをヌナって、
Aヌナって呼んだのは…

グクくんって…ことなんだよね？


ボーッと真っ白になった頭で、
考えるというかなんというか…

ボーッとしながら目の前の２人を見ていたら、
突然ジミンくんが顔を上げ、
私の名前を呼んだから…


何で覚えてるの？


それがまず思ったことだった。


けどすぐに、
そうか…
グクくんとのことで迷惑かけたんだもの…

ジミンくんやメンバーが知らないわけないよね。

二度と迷惑かけないって、
あの時マネージャーさんに誓ったのに…

それなのに、
今こんな風に近くに、
グクくんのそばに、
しかも韓国から離れた香港に、
こんな所に私がいたら…

本当に本当に偶然なんだけど、
きっとそうは思わないよね。



「あっ…えっ……と、」

私だと認めていいのか？
認めたら、どんな顔をされるのか？
どんな風に思われるのか？

考えたら怖くなって、
声が出てこなかった。

そしたら急に、
目の前でグクくんの顔がパッと上がり、
隣にいるジミンくんを見ながら、

「ヒョン。ちょっと立ちくらみしただけです。でももう大丈夫です」

…と、
口にして。

そして階段から立ち上がり、

「あ…すみません、ご迷惑おかけしました」

…と。

声に方向ってあるのかな？
普段はあまり感じることないけど、
私ではなく、
真っ直ぐと、
隣に立つテウンさんに向け話すグクくんの声が聞こえた。

マネージャーさん -You-→←階段 -You-

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す