数字 -You- ページ10
あとテストまで残り◯日。
次のテストは◯科目。
今日は一日◯時間しか勉強できなかった。
友達は◯時間やったと言ってた。
前回は◯点だった。
今度は合計で◯点を目指さないと。
希望大学の合格率は◯%
受験料は◯ウォン。
入学金は◯ウォン。
授業料は◯ウォン………
私の生活には、
常に数字が付き纏っている。
ううん。
付き纏ってるんじゃない。
数字に自分を支配されてる感じがする。
わかってる。
そんなの自分だけじゃないってこと。
同い年の、
大学受験を控えた子なら、
みんな同じだってこと。
ならね…
でもね…
夏は苦手。
好きだけど、
暑さに身体がついていけない。
静かで冷んやりとした図書館。
もっとあそこにいたかったけど…
本当は、
もっとあそこで勉強していたかったけど…
時間だもの…
バイトに行かなきゃ。
学校と家のほぼ中間にあるバイト先の食堂。
シフトの融通がきくのと、
時給がいいのと、
賄いがあること。
高校に入ってすぐ見つけ、
すぐ面接を受け、
そこからずっと、同じ所で働いている。
おじさんもおばさんもすごく良い人で、
私以上に学校のことを気にしてくれて、
テストはいつか?とか、
テスト期間は休んでいいから!って言ってくれるけど…
時間を遅めにしてもらったことはあるけど…
他にアルバイトの子がいないってのもあるけど…
休んだことは一度もない。
お店の定休日を除いて。
もっと図書館で勉強してたかったよ。
けど、
嫌々バイト先に行ってるわけじゃない。
あそこで働くのは、
本当に楽しいから。
働いてる間だけは、
数字から解放されるし。
けどね…
でもね…
大切な高3の夏休みが終わる…
11月にある修学能力試験…
それまであと…3ヶ月もない。
遊んでる場合じゃないのはわかってる。
けど…
本当は…
アルバイトをしてる場合じゃないのもわかってる。
けど…
でも…
そんなことを思いながら、
鬱鬱した気持ちで歩き、
食堂に着いた時だった。
「あ、…あのっ」
ボーッと下を向きながら歩いていたから、
声がし、顔を上げると…
目の前にいた人物が信じられなくて、
我が目を疑い、声が出なかった。
「食堂のおばさんが……Aさん…が、もうすぐ来るって教えてくれて…それで…その…ここで…待ってました」
「ジョングクくん?え…なんで?8月末って、」
「間違えてました。昨日、帰って来ました」
そう言って、
日焼けした顔で目尻を下げ、
笑うジョングクくんがいた。
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がほ(プロフ) - レイコさん» なんてことでしょう!そんなにも!ありがた過ぎて、本当に感動してます(T_T)私もたまに読み返すんですが、その度、誤字に気づくことがあって電話お恥ずかしいです(T_T)これからも読み返してもらえるようなお話を頑張って書きますね^ ^ (2021年10月24日 21時) (レス) id: ae37c6ad61 (このIDを非表示/違反報告)
レイコ(プロフ) - 何度も読み返す最高の作品!多分これで10回めぐらいです (2021年10月24日 19時) (レス) id: 910148a662 (このIDを非表示/違反報告)
がほ(プロフ) - Norada0417さん» こんにちは!お返事が遅くなり大変申し訳ありません!never not!そうなんです!一部歌詞を引用させて頂きました。それに気づいて下さって、こうしてコメ下さったこと、とても嬉しいです。こちらこそ、読んで頂き、本当にありがとうございました。 (2021年6月3日 9時) (レス) id: ae37c6ad61 (このIDを非表示/違反報告)
Norada0417(プロフ) - 色々読んできましたがこの作品が私の中で圧倒的に1位です。ジョングクもたまにカバーしてたLauvのnever not の歌詞がなんだかこのお話にぴったりで曲を聞いてくるとこの話の2人が頭に出てきてなんだか泣きそうになります。素敵なお話をありがとうございました。 (2021年5月13日 21時) (レス) id: 0b2e88b270 (このIDを非表示/違反報告)
がほ(プロフ) - kaさん» こんにちは^ ^コメありがとうございます!『一言だけお伝え…』と読んだ時、何を言われるのかとドキドキしてしまいました!でもとっても嬉しいお言葉^ ^本当にありがとうございます!またグクでお話も書くので、良かったら読んで下さいね! (2020年9月28日 19時) (レス) id: c74390b1f3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:がほ | 作成日時:2019年6月15日 20時