通訳ヌナと…【Jungkook】

食堂 -Jungkook- ページ41

僕は僕で、
この数ヶ月でいろいろと生活が変わった。

6月にデビューするということを事務所が発表し、
先月からは公式のTwitterもやり始め、
すでに僕達のファンだという方達もでき、
ありがたいことなんだけど、
練習室や事務所の入り口には
プレゼントを持ったファンの方達が立っていることもある。

４ヶ月後に控えたデビュー。

本来なら僕は、
来月から高校に入学するはずなんだけど…

デビューの年と重なる為、
とりあえず１年…
高校の入学を遅らせた。

それが最善なのだと、
僕もわかってる。

別に勉強は好きじゃないし、
しなくていいならしたくない。

けど…

そう決まってから、
実はずっと心の中でひかかってはいた。

好きじゃないけど、
周りの人と同じように、
当たり前に高校に進学しないこと。

デビューが決まり、顔が知られたことで、
変装…とまではいかないけど、
まだ知らない人の方が断然多いんだけど、
少し人目を気にしなくてはならなくなってしまったこと。

変わった生活。
変わりつつある生活。

ストレスを感じている僕がいた。

両親は練習室に着いた後、
中で待ってる社長やマネージャーさんと話をするらしく、
僕はヒョン達と久しぶりに…
本当に久しぶりに直接食堂に食べに行くことになった。

ずっと宅配ばっかだったからAさんにも会えなくて、
もしかしたら…
ちょうどバイトでいるのかもしれない。

そう思うと、
はやる気持ちを抑えられなかった。

で、食堂の入り口のドアを開けた瞬間…

僕の目に飛び込んできたのは、
さっき見た赤いチェックのスカート…
今まで何度も見た、
Aさんの制服の赤いチェックのスカート…

それを履いたAさんだった。


正直、ずっとAさんに会いたかった。
話をしたかった。
どういう状況なのか、
気になって、知りたかった。

本当に毎日のようにそう思って
会いたかった人だから…

一瞬、顔はAさんでも、
見間違いなのか？本物なのか？と、
信じられなかったけど…

ジミニヒョンが、

「Aヌナ！」

と、呼んで、近づいて…

あぁ…やっぱり、
本当に本物なんだ…って思った。

と、次の瞬間。

ずっと疑問に思ってて、
考えてたことが頭に浮かんだ。


『グクくんのこと思い出して、それでここに来たの。そしたら会えたの。だからもっと頑張れ！って言って？』


最後に会った公園。
Aさんはたしかにそう言った。

僕のことを思い出して？
そしたら会えた？

なんで？
でもそれって…

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