情けない -You- ページ15
上手く言えないけど、
鏡に映る彼らの目が本当に真剣で、
鏡に映る自分を睨みながら見てるような…
そんな感じがして。
動きが揃ったダンス。
ぶつかることもなく踊る位置を変え、
ダンスのことなんか全くわからないけど、
ただただ…すごいな…って。
見ながら固まってしまった。
「あ、食堂の？」
「あ！すみません！勝手に見ちゃって」
隣の部屋から出てきた人に声を掛けられ、
ハッと我に返った。
「中…入って見てく？汗臭いけど」
料理が入ったビニール袋を渡しながら、
笑顔でそう言って下さったけど、
「いえ…バイト中なんで。あ…でも、ちょっと立ち見しちゃったんですけど…」
「高3なんでしょ？ナムジュンやホソクと同じだって、あいつらが言ってたから。でも…高3なのに…進学は？」
「あ…行きたい大学があって…けど、バイトは事情があって…」
「あぁ…そっか…大変だね」
「いえ。あの…」
「何？」
「みんな、こういう練習、毎日遅くまでやってるんですか？」
「うーん…一旦終わっても、ほぼ全員それから日付変わる位までは残ってやってんじゃないかな」
「え？そんなに遅くまで？」
「ま、日によるとは思うけど」
「学校の勉強とかって…宿題とか、テストとか」
「さぁ…いつやってんのかは俺はわかんねぇけど、ユンギが前テストの時、練習終わってそのままここで勉強して、寝ずに学校行ったって…あ、ジミンやテヒョンも同じこと言ってたかな」
と、笑って話す事務所の人。
急にいろいろ聞いてすみませんでした…と、
謝って頭を下げ、
練習室を後にし、
地上へと続く階段を登ったけど…
私は笑えなかった。
数十分前、
彼らのことをいいな…なんて思った自分。
ううん。
本当は前から少し思ってた。
そんな自分がすごく恥ずかしかった。
恥ずかしくて申し訳なくて、
すごく情けなかった。
いろいろな夢があって、
いろいろな道があって、
いろいろな事情があるのに…
最近、自分基準でしか物事を考えられなくなって、
すごく視野が狭くなっていた。
そのことに気付かされた。
だから。
「Aさん！ごめんなさい！遅くなりました！」
大きな鞄を持って、
約束より15分遅れて来たグクくん。
汗だくで、
本当に急いで来たのがわかる。
遅れたことなんか何も思わなくて、
ただ…
いつものあどけない表情。
クリッとした目。
その目に…
前に見た、
鏡に映った睨むような真剣な眼差しが重なり、
胸がキュッと締め付けられた。
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がほ(プロフ) - レイコさん» なんてことでしょう！そんなにも！ありがた過ぎて、本当に感動してます(T_T)私もたまに読み返すんですが、その度、誤字に気づくことがあって電話お恥ずかしいです(T_T)これからも読み返してもらえるようなお話を頑張って書きますね^ ^ (2021年10月24日 21時) (
レス) id: ae37c6ad61 (このIDを非表示/違反報告)
レイコ(プロフ) - 何度も読み返す最高の作品！多分これで10回めぐらいです (2021年10月24日 19時) (レス) id: 910148a662 (このIDを非表示/違反報告)
がほ(プロフ) - Norada0417さん» こんにちは！お返事が遅くなり大変申し訳ありません！never not！そうなんです！一部歌詞を引用させて頂きました。それに気づいて下さって、こうしてコメ下さったこと、とても嬉しいです。こちらこそ、読んで頂き、本当にありがとうございました。 (2021年6月3日 9時) (レス) id: ae37c6ad61 (このIDを非表示/違反報告)
Norada0417(プロフ) - 色々読んできましたがこの作品が私の中で圧倒的に1位です。ジョングクもたまにカバーしてたLauvのnever not の歌詞がなんだかこのお話にぴったりで曲を聞いてくるとこの話の2人が頭に出てきてなんだか泣きそうになります。素敵なお話をありがとうございました。 (2021年5月13日 21時) (レス) id: 0b2e88b270 (このIDを非表示/違反報告)
がほ(プロフ) - kaさん» こんにちは^ ^コメありがとうございます！『一言だけお伝え…』と読んだ時、何を言われるのかとドキドキしてしまいました！でもとっても嬉しいお言葉^ ^本当にありがとうございます！またグクでお話も書くので、良かったら読んで下さいね！ (2020年9月28日 19時) (レス) id: c74390b1f3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：がほ
| 作成日時：2019年6月15日 20時
