通訳ヌナと… 【Yoongi：3】

好きなもの -You- ページ28

「あ、そうだ。これ…あいつから」

「あいつ？」

「ジョングク」

ソファーに座ると渡されたビニール袋。
中を覗くと、

「あ！あののど飴だ」

中には、
抹茶と柚子ののど飴が入っていた。

「それ好きなやつ？」

と、聞かれ、

「はい。前にジョングクくんから貰ったんです。日本に来たら買おうって思ってたんだけど…また忘れてた」

と、普通に答えれば、

「よく知ってんだな」

…と、ちょっと声色が変わったので、
ちらっと…少しだけユンギさんの方を見た。


「なんだっけ？アイスの名前…あ、レーズンバターと…チョコミントと…」

「アプリコットアーモンドチーズケーキ…？」

「あ、そう、それ。お前の好きなもん…あいつはよく知ってんだな」

「前にお菓子の話してた時に、好きな味とか、そういうの話してて…それで…」

「あっそ。俺はなんも知らねぇけど」


…と、ボソッと吐き出すように言われた。



でも…

私だって…



「私だって…ユンギさんが好きなブランド…よく着る服のブランドなんて…知りませんでした」


モデルさんから言われたことを思い出し、
つい…口にしてしまった。


「は？」

ユンギさんがソファーの肘掛けに肘をつき、
こっちを見ているのがわかる。

だけど私は真っ直ぐ…
ベッドのシーツの裾を見ながら、

「SAINT LAURENT」

…と。
ついボソッと、
さっきのユンギさんのような口調で言ってしまった。


「そんなの…ネット見りゃわかんだろ？帽子から靴まで、どこのブランドだーって調べるファンがいるんだよ。あれすげぇよな？だいたい合ってんだから」

…と。
なんでもないことのようにサラッと言われ…



「っていうか、俺が言いたいのは、俺の着てる服なんかそうやって調べようと思えば誰でもわかるってこと。でもお前の好きなもんは、お前が話さねぇとわかんねぇだろ？ってこと」


…うん？
それはそうだけど…


「貰ったシャツよりも……今一番欲しいもんがあるんだけど……何かわかる？」

欲しいもの？
そんなの…

「わかりません」

「答えんの早っ。お前が持ってる」

「私が？」

「いつも鞄に入れてる」

「鞄？」

鞄…と言われ、
机の上に置いてある鞄を見ると、

「さすがに今はねぇと思うけど」

…と、言われ。


いつもはあって…

今はないもの…



え…？


「あ、わかった顔した」

「なんで…え…なんのことですか…？」

「誤魔化すな。あれ…友達に…ってソユンヌナは言ってたけど…男？女？」

妬く -Yoongi-→←キス -Yoongi-

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