タクシー -Yoongi- ページ20
店からホテルまではワンメーター。
心配するマネージャー達を丸め込み、
ジョングクと俺、
二人でタクシーに乗り、帰ることになった。
「はい、これ」
「なんだよ」
「のど飴です。もしも誰かに見つかった時、僕からヌナに渡すよう頼まれたって言って下さい」
コンビニの袋に入ったのど飴。
これをAに渡す?
どうやって?
もしかして…っ!
「あー、違います。ヒョンには超細かく説明しなきゃダメですね。また今 勘違いしましたよね?」
「してねぇし」
「はいはい。でも一応言っときます。別にヌナに渡す約束なんてしてませんから」
よかった……って!
すぐに人の顔色を読むな。
「ヌナは部屋にいるはずです。一旦ヒョンの部屋に帰ってもいいですけど…遅すぎるとみんな帰ってきて動きづらくなると思います。あ…でも…僕らさっきの店の煙で臭いかも?」
ジョングクが着ていた上着の匂いを嗅いだので、
俺も同じように臭いを嗅げば…
たしかに…
肉の匂いがした。
「しますね、匂い。シャワーするならすぐして…あ…念のため、してた方がいいかもしれませんね?」
ニヤッと笑いながら、
変な言い方をしたジョングク。
「お前…っ!何言ってんだよ!」
「901です」
「はぁ?」
「ヌナの部屋です」
…なんで知ってんだよ!
ジョングクを見て睨めば、
またニヤニヤと俺の心を読んでるはず…
「ヒョン本当に面白い。これからが楽しみでなりません。なんでヌナの部屋を知ってるかと言うと…」
……絶句。
隙ありすぎるだろ。
ジョングクから聞いた部屋番号を知った経緯。
Aらしいっちゃあそうだけど、
本当に…
ジョングクじゃなく他の男だったら…
でも…
「なんで?なんでお前、ここまでしてくれんの?」
「まったく…二人して同じようなこと聞きますね。僕はヌナの味方だって言ったじゃないですか。ヌナはヒョンと違って素直で可愛かったし……それに…そばに好きな人がいるじゃないですか。あれこれ考えず手を伸ばして、何があってもその手を離さなきゃいいだけなのに…理由も話さずに背を向けたヒョンがムカつくからです」
「……」
「それに…ちょっと似てません?」
「お前…まだ…」
「嘘です。さ、早く行っちゃって下さい。あ、タクシー代は僕が出しときますから、欲しいカメラのレンズがあるんです。今度それお願いしますね」
突っ込めなかった話。
と、
断れなかった話。
タクシーのドアが開くと、
ダッシュで部屋に向けて走った。
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がほ(プロフ) - ハイリさん» こんにちは^ ^そんな風に言って下さり、本当に嬉しいです!!しかもお話の途中でのコメ!無理せず、ゆっくり最後まで読んでもらえたら嬉しいです。ユンギ、いいですよね〜。ユンギの次のお話も考えてるので、それもぜひぜひ! (2020年6月3日 19時) (レス) id: 7925a63dc6 (このIDを非表示/違反報告)
ハイリ(プロフ) - すごく、すごーく気持ちが入り込んでしまい、一秒たりともこのお話から目が離せません!最近少しだけ気になり始めたユンギさんでしたが、この物語を読むことで劇的なファンへと変貌致しました(笑)まだ読み途中ですが、ドキドキと切なさの狭間で胸が苦し〜い(^^) (2020年6月3日 17時) (レス) id: 9a9ff787e6 (このIDを非表示/違反報告)
がほ(プロフ) - YG Loveさん» こんにちは!コメありがとうございます(^^)YG…なんだかもう(T-T)YGが、BIGBANGが、これからどうなって行くのか考えるだけで不安です(T-T) (2019年8月23日 9時) (レス) id: c74390b1f3 (このIDを非表示/違反報告)
YG Love(プロフ) - 私もarmyとVIP掛け持ちしてるので気持ちはよくわかります。すごくショックでした。 (2019年8月22日 23時) (レス) id: 067bdd342e (このIDを非表示/違反報告)
がほ(プロフ) - RxSさん» こんにちは(^^)なんですって?2回目?2回も読んでもらえるなんて、本当にありがとうございます。スッと入ってくる感覚…書き手として、たまらなく嬉しいお言葉です。ありがとうございます(^^) (2019年7月24日 11時) (レス) id: c74390b1f3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:がほ | 作成日時:2019年3月3日 16時