通訳ヌナと… 【Yoongi：3】

名古屋 -You- ページ6

あれからどこをどんなに探しても
見つからなかった高麗人参エキス。

偶然コートに紛れたか…
故意か…

どちらかはわからないけど、
多分だけど…
行方はユンギさんだと思う。

何も気づかず捨てられたのか…
気づいて…捨てられたのか…


なんだろう…

ちょっとしたお守りみたいなものだったから、
ポーチの中を見るたび
ないことを思い出し…

気分が下がってしまう。

だからと言って、
ユンギさんにまさか確認するなんてできず。

急に変わったユンギさんの態度。

それと同じように、
気になりながらもどうすることもできなくて…



そんな中での名古屋ドーム。

空港でもそうしたけど、
隠れるかのようにユンギさんから距離を取った。

もうオンニ達のお手伝いはなく、
完全な通訳としてのお仕事のみ。

だから控え室にずっといる必要はなく、
伝えなきゃいけないことや何か聞かれた時、
その用件が済めば、別の部屋にすぐに移動した。


高麗人参エキスやイヤフォンのこと。
それももちろん気にはなってた。

だけどそれ以上に…

あの夜、ユンギさんから言われた言葉。

それがずっと頭にあって、
今こうやって同じ控え室にいて、
仕事の話をしてたとしても、
ユンギは嫌な気持ちなんだろうな…
って思うと、ここにいることがすごく辛かった。

だから二日目が終わった夜、
みんなで打ち上げに行こう！ってなったけど…

飲みの席…
事務所関係者しかいないけど…

きっと私がいるとわかれば、
ユンギはまた嫌な気持ちになるだろうから…


失礼かとは思いながらも、
体調不良を理由にお断りした。


「ユンギのこと気にしてるんでしょ？」

ソユンオンニがコソッと聞いてきた。

あのことを…
知っているのはオンニとジョングクくんと…
多分二人だけなんじゃないかな？

「違いますよ。来週シンガポールもあるし、まだ完治はしてないので。話しすぎて…ちょっとまた喉が痛くて」

「本当に？大丈夫？」


ごめんなさい、オンニ。
完治してないのは本当だし、
喉も少し痛いけど…

一番の理由は、
オンニが言う通り、
ユンギさんなんです。




…と、話しながら帰り支度をしていると、
控え室に入ってきた
お人形さんみたいなキレイな女の子達と…

マネージャーさん達に挨拶する、
同じような男性の方。

聞くと、
日本のファッションモデルの方達のようで。

どうりで顔も小さくて足も長いわけだ。


メンバーと写真を撮りたいらしく、
通訳する為に私も呼ばれた。

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