ユンギさん -You- ページ47
握りしめている高麗人参エキス。
ユンギさんから前にもらったやつ。
いくつか残してお守り代わりのように持ち、
今まで本当に体調が悪い時に飲んできた。
その最後の一つ。
飲もうか…飲むまいか…
悩んだけど、やめた。
もっと体調不良の時が来るかもしれない…
オンニにはそう言ったけど、ただ単に…
なくなっちゃうのが嫌なだけ。
頭の上に置いた鞄。
そこから黒いイヤフォンを取り出した。
ユンギさんから貰ったイヤフォン。
青い線が二本入ってて、
いつもそこを爪で擦っちゃう癖。
イヤフォンを耳に入れ、
音楽アプリからいつものプレイリストを選択し…
声がふわっと聞こえた瞬間、
どうしたってゾクッとする。
私は…変態なのかな？
さすがに誰にも言えないけど、
8Dのユンギさんの歌声。
それが心地良く…
いつも簡単に私を眠りに誘う。
ただ…あ、やっぱり。
聞くと…どうしたって涙が溢れる。
私が知っているユンギさんの声。
歌声。
話し声。
それから…
『俺の前に現れるな。目ざわりなんだよ』
怒りに満ちた声。
その声が、
何日も経ってるのにまだ頭から離れない。
なのに耳からは優しい歌声が聞こえて。
一度目を開けると、
涙で滲んだ視界に…高麗人参エキスが見えた。
目を閉じて…
これを渡してくれた時のユンギさんの顔を思い出した。
声…
笑顔…
腕…
手…
言葉…
思い出…
どうしよう…
どうにももうならないし、
むしろ消さなきゃいけないのに…
まだ…
ユンギさんが……好きで…
明後日から…どうしよう…
同じ日本…通訳として…
顔を合わさないことは無理だけど…
合わすのが怖い…
だって…
もうこれ以上、
ユンギさんに嫌われたくない…
もうだいぶ日は経ったのに、
いまだに理由がわからない…
自分がここまで人の気持ちがわからない人間だったってこと…
謝って許してもらえるのなら…
謝りたい。
許してもらえなくてもいい…
謝りたい。
でももうそれも無理。
ユンギさんは…
きっと私が同じ空間にいるだけで…
絶対に嫌なはずだから…
A…
もうやだ。
どうして覚えてるんだろう。
どうして忘れられないんだろ。
名前を呼んでくれた、
ユンギさんの声の響き…
頭に浮かぶ…
ユンギさんの表情…
「A？」
「ごめんなさい…ユンギさん…ごめんなさい…」
目の前にいるユンギさん。
こうやって現実でも…
ちゃんと謝ることができたらいいのに…
ごめんなさい。
ユンギさん。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1822人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
がほ(プロフ) - コットンさん» ありがとうございます^ ^朝起きて、コットンさんを含め、たくさんの方に読んで頂けて、ただただ驚いております(O_O) (2019年3月4日 13時) (
レス) id: ebe247b3cf (このIDを非表示/違反報告)
コットン(プロフ) - がほさん» もちろん3もチェックしております笑楽しみです！ (2019年3月3日 22時) (レス) id: c7fe2a89ef (このIDを非表示/違反報告)
がほ(プロフ) - あかりさん» こんばんは☆コメありがとうございます^ ^素直になれないユンギさん…彼女のことを思って…ってのを、書きながら一人でにやけ悶えてます笑 こんだけユンギに想ってもらえる女の子…羨ましい！応援ありがとうございます^ ^ (2019年3月3日 20時) (レス) id: ebe247b3cf (このIDを非表示/違反報告)
がほ(プロフ) - コットンさん» こんばんは☆コメありがとございます！ユンギさん…素直になれず、空回り中…今後の展開、ぜひ読んで下さいね^ ^『2』がいっぱいになったので、『3』も書き始めました^ ^ (2019年3月3日 20時) (レス) id: ebe247b3cf (このIDを非表示/違反報告)
あかり(プロフ) - これからどうなるのかめちゃくちゃ楽しみです！ユンギさんが素直になってくれればと願ってます笑 忙しいと思いますが、更新頑張ってください応援してます◎ (2019年3月2日 22時) (レス) id: e14988d736 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：がほ
| 作成日時：2019年1月15日 10時
