作業室 -You- ページ46
「うわぁ……」
お言葉に甘えて入らせてもらった
ユンギさんの作業室。
パソコンなのか、テレビなのか。
いち、に、さん、し…
なんなのかわからないけどたくさんの画面。
スピーカーみたいなものや、
音楽を作る時に使いそうな機械や、
ピアノ…なのかな?
さっきユンギさんが言った通り、
機械音痴なのもあるけど、
私とは全く縁がなく、物珍しいものばかり。
こないだの欧米ツアー。
そこで初めて見た音響機材。
ボタンだったり、レバーだったり、
とにかくたくさんあるそれらを把握し、
管理する担当の人の姿が印象的だった。
あの時の音響機材をギュッとコンパクトにしたようなものがここ、ユンギさんの作業室にもあって。
「すごいですね…」
決して広くはない作業室。
右を見ても、左を見ても、正面を見ても。
機械だらけ。
「ここでその…こういう機械とかを使って曲を作ったりするんですよね?」
「うん」
「ユンギさんって…いつ頃から歌詞を書いたり、曲を作ったりしてるんですか?」
「小学校とか中学とか、そこら辺から…かな」
「小学生…そこからずっと…ってことなんですよね。こういう機械の使い方も、事務所に入る前から勉強して?」
「うん。高校の時スタジオでバイトしてたから、そこんで学んだり」
「そっか」
なんだろう。
機械がどれだけすごいとか、
ユンギさんがどれほどすごいのかとか、
私には素人すぎてわからないけど…
何か、すごく胸にグッとくるものがあって。
「何?急になんかテンション変わったけど」
パッと後ろを振り向くと、
笑顔で立つユンギさんがいて。
いつも優しく接してくれて、
話しかけてくれたり、
大切な作業室を見せてくれたり。
でもきっと本当にすごい人で、
すごく努力されてて…
なんだろう…
本当に本当に、
私なんかがどう頑張っても、
一生近づけないような、
すごく遠い存在の人なんだって思って。
「ユンギさんが…すごすぎて」
ぽそっとそう言うと、
「はぁ?俺からしたら、お前の方がすごいし」
…と。
さらっと言って、
近くにあったピアノに手を伸ばした。
部屋にピアノの音色が響く中、
私の中ではさっきユンギさんが言った
『お前』という言葉が何度も大きく響いていて。
「ピアノ弾ける?」
と、聞かれたので、
「弾けません」
と、答えたら、
「だと思った」
指は動かしたまま、こっちを向いてそう言って。
また、あのふにゃっとした柔らかい笑顔で。
感情を抑えるのが苦しい。
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がほ(プロフ) - miiさん» このお話まで読んで下さったんですね^ ^嬉しいです!ありがとうございます! (2021年10月1日 21時) (レス) id: 242c469720 (このIDを非表示/違反報告)
mii(プロフ) - キュンです (2021年9月27日 4時) (レス) id: d47eb74ff4 (このIDを非表示/違反報告)
がほ(プロフ) - ちむちむさん» こんにちは(^^)こちらこそ、コメたくさんありがとうございます!お話できるの楽しいです^ ^ (2019年1月16日 12時) (レス) id: b9b3e3aa96 (このIDを非表示/違反報告)
ちむちむ(プロフ) - がほさん★お返事までありがとうございます!楽しみにしてます^^更新楽しみなので無理をせず頑張って下さい^^ (2019年1月16日 10時) (レス) id: 44d6afde63 (このIDを非表示/違反報告)
がほ(プロフ) - ちむちむさん» ちむちむさん(^^)コメントありがとうございます!大好きだと言ってもらえて嬉しいです!更新頑張りますので、続きも読んでもらえるともっと嬉しいです^ ^! (2019年1月16日 9時) (レス) id: b9b3e3aa96 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:がほ | 作成日時:2018年11月26日 12時