通訳ヌナと… 【Yoongi】

恋 -You- ページ37

欧米ツアー、最後のパリ。

途中ジョングクさんが足を怪我してしまったけど、
なんとかツアーを終えることができた。

ツアーを終えて、今日はオフ。
みんなは観光したり買い物したり…なんだけど、
私はというとホテルに缶詰め。

今度は約1ヶ月後に始まる日本ツアー。
すでに動き出していて、
日本のスタッフの方からは毎日のようにメールがある。

明日は帰国だから今仕事を終わらせとかないと、
飛行機の中なんて酔ってしまうし、
周りの音も気になって絶対に集中できないし。

そして気づいたら…
お昼はとっくに過ぎて、15時。

「お腹空いたな…」

出かけたオンニ達は夕方に戻ってきて、
その後一緒にご飯を食べに行く約束をしてるから、
今お昼なんか食べたら夕食が食べれなくなるし…

と、思っていたら。

「え…」

スマホが鳴り、画面にあった名前が…

「ユンギさん…？」

何で電話？
掛け間違い？

それとも、何かあった？

前に交換したアドレス。

メールはたまにあったけど、
電話は初めてで。

「もしもし…」

緊張しながら電話に出ると、

「俺。今ホテル？」

ユンギさんが普通に電話に出た。
ってことは、掛け間違いじゃないのか…
なら…何で？

「あ…はい」

「あのさ…渡したいもんあるんだけど…部屋って何階？」

え…何階？
渡したいもの？

ユンギさんの声色は至って普通なのに、
私は一瞬でパニックに。

「部屋…7階です」

「なら今からエレベーターの所まで来られる？」

「今から？」

パッと視線を目の前にある鏡に向けた。

オンニ達とご飯には行くけど、
もう少ししてから用意しようと思ってたから、
眼鏡だしすっぴんだし…

「うん…あ、エレベーター来た」

エレベーター！？

「あ、わかりました」


もうそこからは本当にダッシュで。
髪を撫で付け、ポーチの中身をベットに出し、
とりあえずリップを付けて。
Tシャツの上にカーディガンを羽織り、
部屋を出てエレベーターの方を見ると…っ！

赤と黒のチェックのシャツ。
ダメージデニム。
青いニット帽とマスク。

ユンギさんが、
もうそこに立っていて。

慌てて駆け寄ると、

「ん」

と、差し出された紙袋。

「え…」

「仕事してんだろ？お疲れ。差し入れ」

紙袋の中を見ると、
飲み物とカラフルな…

「マカロン、食える？」


「大好きです…ありがとうございます」



嬉しくて、
少し気持ちが溢れた。



大好きです…

私、
ユンギさんのことが、
大好きです。

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