通訳ヌナと… 【Yoongi】

表情 -You- ページ29

オフのユンギさん。

もちろんメイクもしてなくて、
帽子にマスクに私服。

長めの前髪からちょっと覗く目とか、
マスクをずらした口元とか、
何だろう…

リハーサルの時もそんな感じだけど、
その時とは少し違う。

オフ…だからなのかな？なんて。

誰もいない車で待っていると、
ユンギさんが１人で、まさか先に来るなんて思わなかった。

本当にすぐそこ。
目の前に座って、そんな近さから後ろを振り返って見られたら…ドキドキせずにはいられなかった。

体調を気にしてくれたこと。
正直…嬉しかった。

会場で渡された高麗人参エキス。
その次の日にはこっそりと…

「ん」

と、いつもの感じで。
袋に入れた高麗人参エキスを渡してくれた。


そして。


そんなつもりは全くなかったんだけど、
ユンギさんと同じような言葉を言ってしまい…

ケラケラと笑うユンギさん。

恥ずかしかったけど、
こんな近距離で笑顔を見れたこと、
笑ってくれたこと…
またまた、嬉しくなった。


なのに。


マネージャーさんもいるけど、
ユンギさんとジンさんと出かけること、
私なりにかなり緊張してた。

スタッフとして、通訳として、
別に３人だけで行動するわけじゃないけど、
もしもファンの人達や誰かに見られて、
誤解されて迷惑かけたら大変だし…

そう思って目立たないよう黒っぽく、
シャツの下にはグッズTシャツを着て、
見えないけど、見えた時のためにもスタッフをアピールするような気持ちで服を選んだのに…

それを伝えたら、
今までになかったほどの大きな声を出して笑い出したユンギさん。

気にしすぎ…ってことなのかな？

困惑しているとジンさんやマネージャーさん達が来て、車は走り出した。

そして店内。

店内に入ると、すぐに周りを見渡すユンギさん。

でもその顔は、ただのワクワクした気持ちだけではなく、なんて言うか…すごく目が真剣で。

お目当ての楽器のコーナーへ行けば、
専門の店員さんを呼んで、本当に事細かな質問をしたり説明を聞いたり。

私にはよくわからない用語が店員さんとユンギさんの間で飛び交って、
わからないからこそ間違えないよう訳すのに必死だった。

すごく真剣なユンギさん。

リハーサルや打ち合わせの時も真剣だけど、
どこかそれ以上に見えるのは、
大事な大事な楽器…だからなのかな？

２時間があっという間だったのは、
ユンギさんも…
そして私も同じだった。


どんな表情のユンギさんにも…

胸が高鳴ってしまう。

どうしよう…

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