通訳ヌナと… 【Yoongi】

申し訳ない -Yoongi- ページ28

「やっと終わりました」

会計が終わり真っ先にAの所に向かうと、
両手を合わせて謝った。

「本当に…気にしないで下さいってば」


もう何回このやり取りをしただろう。

ジンヒョンやマネージャーも来て、
みんなで向かった楽器屋。

マネージャーは２人来てくれたから、
ジンヒョンと１人のマネージャーは別行動。

俺ともう１人のマネージャーとA。
３人で俺の欲しい楽器が置いてある場所へと向かった。

正直、店内に入った瞬間から大興奮だった。
目移りしそうなほど物珍しいものばかり。

その中でも自分が欲しいもの、
韓国には売ってない楽器を生で見たら…

専門の店員を呼んできて、
Aに対して質問攻め。

いつも思うけどすぐに、
しかも的確に訳してくれるから、
まるで相手と普通に話しているような錯覚に陥る。

結果、もちろん欲しかった楽器は購入決定し、
予定もなかった別の楽器も紹介してもらい、
それも購入することとなった……んだけど…

購入が決まり会計に向かう時、

「お前いつも長すぎ」

疲れ顔のマネージャーにそう言われて。
何時かと時計を見ると、

「え…マジで？」

気づいたら、ここに来てから２時間も経ってた。

「ジン達はもうとっくに店出て、今は近くの服屋にいるってさ」

呆然と…でもいつものことで、我ながら自分に呆れる。
だからみんな、俺の楽器購入には付き合いたがらない。

「ごめん…あ、ヌナもごめん」

「いえ…そんな…何より、欲しいものが無事買えて本当に良かったですね」

にっこりと笑いながらそう言ってくれて。

マネージャーと違い、
疲れた表情は一切見えない…見せないけど、
あることを思い出した。

いつだったか練習室で聞こえた話し声。

通訳をしてると、
例え座ってしていたとしても、
身体ではなく頭が、脳がすごく疲れるのだと。

だから糖分…Aの場合はチョコが手放せないのだと、グクと笑いながら話をしていた。

きっと今も……

そうは思うものの、
あいにくチョコなんか持ってないし、
表情ではわからないけど、すごく疲れさせてしまったこと…申し訳なく思って。

「頭…疲れてない？」

「平気ですよ。それに…集中しちゃうと時間も忘れちゃうの…私も同じだし、理解できますから」

そう言いながらまた笑ってくれて。

笑顔なのに…

それを見て、
申し訳なくて胸が痛くなる気持ち。

今は胸が苦しい。

痛いとか苦しいとか。

疼くとか溢れるとか。

Aは俺にいろいろ感じさせてくれる。

表情 -You-→←車 -Yoongi-

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