名前 -Yoongi- ページ25
いつも通り。
いつも心の中で呼ぶ通り。
何も考えず、A…と。
口に出してしまった。
やってしまった!
と、思ったけど、
『なんてねー』
と、笑いながら言ったり。
『ごめん。ヌナって付け忘れた』
と、言ったり。
何か即座に対応すればいいのに。
できずに口籠る俺。
人のことは言えない。
さっき体調を尋ねた時、
黙り込んだAに、黙ったままだとそれを認めることになるのに…とかなんとか言ったけど。
今 黙り込んでる俺を、
Aはどう思ってるんだろ。
お互いに見つめあったまま、
微妙な空気が流れる。
そして。
先に口を開いたのはAだった。
「あ…はい、何でしょう?」
まるで何事もなかったかのように、
普通に返してきてくれた。
「あ…これ。もう一つあったから」
そう言ってAに向かってスティックを投げると、
ちゃんとキャッチしてくれて。
「ありがとうございます」
キャッチしたスティックを見せながら、
笑顔でそう言ってくれて。
また…
今もまだ、周りには誰もいなくて。
何だろう…
さっきから。
Aと一緒にいて、
周りに誰もいない空間にいると、
自分の立場とか、世間とか…
常に意識している、そういったものが…
その時だけは消える…というか、
忘れるというか…
自分の気持ちだけになるというか…
他のことを良くも悪くも考えず、
自分の気持ちのまま素直に行動できるというか…
だから。
「年上なのに、敬語使わない俺…ムカついてる?」
「え?そんなこと!全く思ってないです!」
いきなりそんなことを聞いたから、
笑顔が一転、驚く顔に変わった。
「本当に?」
「本当です。ユンギさんとは学年はたしかに違うけど、生まれ月で言えばそんなに変わらないし、すごくしっかりされてて、私より年上みたいな感じだし」
手を動かしながら、
なぜか一生懸命に説明するA。
「老けてるってこと?」
わざとそう顔をしかめながら言えば、
「違います!そうじゃなくて…」
と言いながら、
今度はすごく困った顔になって。
「わかってる。無理…しすぎないように頑張って」
「はい」
また振り返り、
後ろにAを感じながら歩き出した。
どうしようか…
可愛い…だとか。
好き…だとか。
そういった感情が、
自分の中で大きく揺れ動いて、
なんか…身体から溢れる感覚。
「あー…ヤバい」
緩みっぱなしだった顔を元に戻すように、
顔に手を当て、抑えながら楽屋へ戻った。
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がほ(プロフ) - miiさん» このお話まで読んで下さったんですね^ ^嬉しいです!ありがとうございます! (2021年10月1日 21時) (レス) id: 242c469720 (このIDを非表示/違反報告)
mii(プロフ) - キュンです (2021年9月27日 4時) (レス) id: d47eb74ff4 (このIDを非表示/違反報告)
がほ(プロフ) - ちむちむさん» こんにちは(^^)こちらこそ、コメたくさんありがとうございます!お話できるの楽しいです^ ^ (2019年1月16日 12時) (レス) id: b9b3e3aa96 (このIDを非表示/違反報告)
ちむちむ(プロフ) - がほさん★お返事までありがとうございます!楽しみにしてます^^更新楽しみなので無理をせず頑張って下さい^^ (2019年1月16日 10時) (レス) id: 44d6afde63 (このIDを非表示/違反報告)
がほ(プロフ) - ちむちむさん» ちむちむさん(^^)コメントありがとうございます!大好きだと言ってもらえて嬉しいです!更新頑張りますので、続きも読んでもらえるともっと嬉しいです^ ^! (2019年1月16日 9時) (レス) id: b9b3e3aa96 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:がほ | 作成日時:2018年11月26日 12時