通訳ヌナと… 【Yoongi】

アメリカ -You- ページ18

防弾少年団のワールドツアー。

もちろん私も通訳スタッフとして同行。

ソウルでのコンサートを終えてアメリカに向かった後は、
ロサンゼルス、オークランド、フォートワース…

一度カナダに行き、
またアメリカに戻ってきた時…

人生初の長期の海外。
数日ごとの飛行機での移動。
ホテル生活。

この約1ヶ月の疲れが、
身体が慣れ始めたと同時に、
ドドドッと出てきてしまった。

どうしよう…
最悪。

気をつけてはいたつもりだった。

でも結果はこれ。
自己管理さえできないなんて…

本当に最悪。

約３時間、歌って踊る彼ら。

そんな彼らのサポートをする、
ヘアメイク、スタイリストのオンニ達。

暗くて狭いステージの裏をサポートするスタッフの方達。

この1ヶ月、
たくさんのことを見させてもらい、学んできた。

誰もが毎日毎日、
自分の仕事を一生懸命にしていてて、
誰もが毎日毎日、
本当に必死になって動いていて、
疲れてない人なんていないし、
そんな中で、
みんな自分の管理もしてるのに…


それなのに…

まさか体調が悪いなんて言えなくて。
ニューアークにいる間は、
バレないように必死だった。




そしてシカゴに来た。

休憩時間。

韓国から持って来た薬はすでになく、
今は自己治癒力で治そうとしているわけなんだけど…

そんな自己治癒力も今はあるわけはなく、
身体は重だるいまま。

オンニ達には一緒にご飯を食べるのを断って、
会場の一番上の席に一人で座り、
ステージを見ながらパソコンを開き、
メールチェックなどをしていた。


メールチェックを終えると、
こないだ出演した番組の字幕を付けたり、
インタビューを訳したり…

休憩時間が終わるまでにやらないと、
休憩が終われば現地スタッフと韓国スタッフ、
現地スタッフとメンバー達などの間に入り、
通訳をするお仕事がリハーサルが終わるまで続くから。


休んでる暇も、
体調を崩してる暇もない。

頭のスイッチを入れ、
パソコンと向き合い始めた。



そして…



「終わった！」


最後の文字を打ち終えた時、
思わず声に出してそう言ってしまった。


もちろん独り言
だったはず…なのに…


「お疲れさん。はい…これ持って」

「え…っ！」

いきなり後ろから声がして、
振り向くとそこにいたのは…

「ユンギさん！」

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