通訳ヌナと… 【Yoongi】

限界 -You- ページ14

寝たらダメだ…

一応頑張ってはみたんだけど、
お腹も満たされたし、
かすかに聞こえるユンギさんの規則的な寝息。
眠気も限界で。

少しだけ…

そう思って、
スマホをバイブにし、アラームをかけた。




1時間後、
手の中で震えたバイブで目を覚ました。

首が…痛い。

通訳のお仕事は頭をよく使うから、
休憩時間にこうやって、座ったまま仮眠をとることはよくある。

だから無意識のうちに首の位置を変え、
あまり痛くならないように身体が慣れてるんだけど。

今日は長めに寝たからかな？
首がちょっと痛い。


…と、目の前には、
同じように寝る向きを変えたユンギさんがいた。

まだ聞こえる心地良い寝息。

どうしよう…

起こすのは失礼だし…

でも何も言わずにこのままユンギさんだけを残して帰るのも失礼だし…


どうしようかと考えていると、
静かな部屋にユンギさんのスマホの音が響いた。

すると、ムクッとすぐに身体を起こしたユンギさん。

眠そうに細めた目でスマホを見、音を止めた。


そして…


「おはよう…ございます」

細めたままの目と目が合ったので、
そう言うと、

「ん」

と、小さな返事をした後、
あくびをしたユンギさん。

「始発…動き出した？寝過ごしたら困ると思ってアラームかけてたんだけど…」


え…？

顔を手で擦りながら、
そう言って…


アラーム…
わざわざかけてくれてたってこと？


「私も…今アラームで起きたんです。電車も動き出したみたいで…」

「帰る？」

「あ、はい。帰ります」

そう言って立ち上がると、
なぜか同じようにユンギさんも立ち上がって。

「気をつけて」

まだ眠そうな顔をしたままゆっくりと歩き出し、

「いろいろと本当にありがとうございました」

お辞儀をし、戸惑いつつもドアに向かって歩き、
ドアを開けた瞬間…

左側から腕が伸びてきて、
私が開けたドアを持ち、
そのまま支えてくれて。


「す…すみません」


もう、いろいろと限界で。

スルッと身体を回転させて廊下に出ると、
なぜか同じように廊下に出たユンギさん。


トイレとか？
違う部屋に行くとか？


もうパニックで。


なのにー！

結果、
エレベーターの前までユンギさんは来てくれ、

「お疲れ様」

エレベーターが閉まる直前そう言ってくれ、
小さく手を振ってくれた。


寝起きのユンギさん。

男というか、色気というか…

とにかく表情や声や顔や言葉や行動からも…

ダダ漏れすぎて…

間近で見て…もう…限界。

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