JIYONG -2-

変わらない -You- ページ23

何で…何で…と。
いくら問うても答えはない。

いちいち気にするな。
好きな時に連絡してこればいい。

そうジヨンは言ってくれたけど。

もう連絡する勇気など、私にはない。

横目で私を見て、
その目を逸らしたあのジヨンの顔。

怒りを感じた表情。
あれは、故意…だと思うから。
だから何かしらの理由があって、ああしたんだってこと。

その理由を聞くことなんて、
私には絶対に出来ない。

終わった。
うん…多分、本当に終わったんだと思う。

理由はわからないけど、
とにかく、もうジヨンと私のこの関係は終わったんだと思う。

けど、変わらない。

ダンス練習の時は汗をかくからメイクはしない。
だから、トイレでぐちゃぐちゃになった顔を思いっきり洗った。

目は赤いし腫れてるし…
なんてみんなに嘘つこうかな…

洗って顔がさっぱりし、
少し気持ちも落ち着いた。

変わらない。
だって、変わりようがない。

誰も知らないことなんだもの。

みんなに話していた好きな人や彼氏にフラれたとか別れたなら、弱音を吐いて泣き言の一つも言えるけど、誰も知らないことだから。

だから、変わらない。


ジヨンが私を必要としなくなるまで…

自分でそう言い聞かせてきたから。

泣かずにすぐに受け入れることはできなかった。

けど、終わりは終わり。


ただ…


キツい…
すごくキツい。

好きな…人だったから、
あの態度をされるのは、あの表情は、
本当に胸が痛くて…思い出すとまだ苦しくて。

好きな人にあんなことをさせてしまう程の理由が私にあって、それがわからない自分が情けなくて本当に辛い。


更衣室のドアを開ければ、
変わらないみんなの笑顔。

一生懸命、笑顔で嘘をつき、
頭からジヨンのことを消そうと頑張った。

ダンスの練習をして、衣装の調節をして、
スケジュールを確認して、家に帰る。

帰ったらシャワーを浴びて、ご飯を食べて、
洗濯をして、寝る。

変わらない生活。

また朝が来て、また同じことを繰り返す。


大丈夫、大丈夫。
元に戻ればいいだけ。

元々住む世界が違う人なんだから、
もしかしたら仕事で絡むことがこれからあるかもしれないけど、とりあえず今は大丈夫。


音楽番組への出演。
別のグループのダンス練習。

会社でもすれ違わない日々。
当たり前だけど鳴らないスマホ。

ないことに慣れ、
終わったことに慣れ、
元の生活に慣れ、
まるで今までのことは、
夢だったんじゃないかって思う。

けど。

借りた詩集。

どうしよう…

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