JIYONG -2-

なぜ -You- ページ22

詩集を借りた翌日、
ジヨンから体調が良くなったという報告と、
詩集の感想を求める連絡があった。

読んだページまでの中で、今一番好きな詩のタイトルを言って、その詩について、時間が合えば電話して語り合ったりした。

ジヨンはジヨンでいつも通り忙しく、
私も今、違うグループのカムバックに向けて何かと忙しくて。

家で会うことは、あのジヨンの家以来なかったけど、会社の廊下ですれ違うと、ニコッと…あの笑顔で微笑んでくれ、もちろんそれは私だけに対してのものじゃなく、みんなに対してそうなんだとは充分にわかってる。

わかってるけど、嬉しくて。

すれ違った後、
『頑張れ』とか『顔疲れてる』とか。

わざわざメールをくれるのがくすぐったくて。


『くれた茶葉がなくなった。自分で淹れると濃すぎたり、渋すぎたり、あまり上手くできなかった。だから、今度家に行ったら、Aが淹れてくれた紅茶が飲みたい』


ガシッと胸を掴まれたよね。
嬉し泣き…まさにそう。
嬉しくて、涙が溢れそうになった。


だけど。


数日前から幸せだった気持ちは一転し、
不安で、怖くて、１日中その気持ちに押し潰されそうで苦しい。

突然なくなった連絡。
詩集を借りた日から毎日あったのに、
ピタッとなくなったジヨンからの連絡。

もちろん仕事が忙しいのかもしれないし、
また体調が悪いのかもしれない。

そう思って何か尋ねると、
それに対して答えてはくれる。

だけど、今までを振り返ってみても、
本当にジヨンからの返信なのかな？って思ってしまうほど、すごく素っ気なくて。

もちろんジヨンと私の関係は理解しているつもりだから、いつ全てが終わってもおかしくはない。


どうしてだろう…
何かあったかな？
私…何かしたかな？


全てがいつ終わってもおかしくはない。

けど、終わりたくはなくて、
あれこれ考えてしまい、不安で押し潰されそう。

そして。

新曲のダンス練習があり、会社に入ろうとした時、
中からジヨンとマネージャーさんが出てきた。

連絡がなくなってから、初めて会うジヨン。
先を歩くマネージャーさんに挨拶をし、
同じようにジヨンにも挨拶をした…けど…

チラッと私を横目で見、
思いっきり目を逸らされた。

瞬間、目の前がぐらっと回るような感覚になった。
真っ直ぐ立っていられない。
心臓の音だけが聞こえる。

どうしよう…ダメだ。

会社なのに。これから仕事なのに。

頭が混乱して、涙も抑えられない。



何で……

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