会いたい -Jiyong- ページ12
Aといると、怖くなることが多々あった。
俺なのに俺じゃないようなことを思ったり、
行動してしまったり、
今みたいに口にしてしまったり。
一瞬、我が耳を疑った。
ポロッと口から出た言葉。
嘘ではなく、本心。
本心は本心でも、本心すぎる気持ち。
多分、お互いに驚いて、
さっきから無言の時間が過ぎていく。
なんて…次、言えばいいかな。
そう考えていたら、口を開いたのはAだった。
「ごめんなさい」
聞こえてきたその声がか細くて、
泣いてるようにも聞こえて。
しかも何に対して謝られてるのかわからなくて、
不安になった。
「ジヨンさんが体調悪かったこと、本当に知らなくて…その…連絡しなかったのは、ちょっと忙しかったのもあるけど、その…ジヨンさんからも連絡なかったから、忙しいのかな…とか、彼女が…出来たのかな…とか、いろいろ考えてしまって、考え過ぎて、日もたって、そしたら連絡出来なくなってしまって…」
「バカ」
「ごめんなさい」
「バカだよ」
「ごめんなさい」
同じだよ。
俺も同じようなこと思ってたから、
だから出来なかったんだよ。
そう言いたかったけど、
プライドなのか、照れなのか、
それは口には出来なかった。
バカって言葉は、気を使いすぎるAに、
ありったけの愛情?いや、違うか、友情を込めて。
そして、この1ヶ月。
動かなかった俺は、本当に大馬鹿者だ。
あー、ダメだ。
会いたい。
会って話したい。
1ヶ月中にあったこと。
話したいし、聞きたい。
目を閉じると笑顔で話したり、
俺の話を聞いてくれるAの顔が浮かんで。
電話とか、シンガポールだとか、
そんなのが全部煩わしくなる。
「もっと…好きな時に連絡してくればいいじゃん。ほとんど俺からばっかだし。…必要なのは、俺だけなのかと思うじゃん」
「え?ごめんなさい、最後聞こえなかった」
最後の一文。
小声で、Aじゃなく自分に呟くように口にしてしまった、本心すぎる本心。
「何もない!いちいち気にするな!ってこと!いつ帰ってくるの?」
「え…あ…、明後日」
「何時着?」
「15時過ぎ…だったかな?」
「その後は?帰るだけ?」
「うん」
「なら…会おう?家、行ってもいい?」
「…うん」
すぐに二つ返事が聞こえて。
耳がくすぐったくてたまらない。
誰もいなくて良かった。
今の俺の顔、絶対に誰にも見させられない顔をしてるはずだから。
絡まってた糸が解けた感じ。
1秒でも早く、Aに会いたい。
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がほ(プロフ) - anzさん» コメ頂いたのに、お礼が遅くなりすみません!最近更新がなかなかできなくて、本当に申し訳ないです。土日で頑張って更新しますので、良かったらまた読んで下さいね^ ^ (2018年11月3日 12時) (レス) id: c74390b1f3 (このIDを非表示/違反報告)
anz - 初めまして(´ ˘ `)凄くドキドキする作品をありがとうございます!毎日楽しみに更新待ってます! (2018年10月25日 7時) (レス) id: c7fabd4acc (このIDを非表示/違反報告)
がほ(プロフ) - ユリアさん» こんにちは^ ^コメありがとうございます!なかなか更新が出来ずすみません!楽しみにしている…と言って頂けて嬉しいです^ ^ (2018年10月20日 9時) (レス) id: c74390b1f3 (このIDを非表示/違反報告)
ユリア(プロフ) - いつも楽しみにしてます!これから先どうなるのかドキドキです! (2018年10月9日 18時) (レス) id: 3eb3ef9154 (このIDを非表示/違反報告)
がほ(プロフ) - なつこさん» こんにちは^ ^コメありがとうございます!ドキドキしながら読んで下さって嬉しいです^ ^3連休中に続きを更新できるよう頑張りますね^ ^ (2018年10月5日 11時) (レス) id: b9b3e3aa96 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:がほ | 作成日時:2018年8月23日 15時