パニック -Jiwon- ページ16
久しぶりに会ったのに一瞬で姿を隠し、
一向に棚から出てこないヌナ。
『手伝い』という口実を胸に近づくと、
右腕を一生懸命に伸ばし、爪先立ちをしている姿。
近づいて右手を重ね、資料を押し込んだ。
たった数秒のこと。
でも残りの資料を片付けながら、
右手にはさっき触れたヌナの感触が残っていた。
心を落ち着かせ、なるべく平静を装い、
何事もないかのようにヌナに話しかけた。
そして置いていた箱を持ち上げ、腕時計を確認していると、後ろから足音が聞こえた。
ヌナを確認しようと、振り向こうとした時だった。
後ろからコートを掴まれた？引っ張られた感じがして。
「行かないで」
「え…」
行かないで？
どこへ？
あまりにも突然で、
消え入りそうな小声だったから聞き間違えかと思った。
けど、ごめん…と。
何かに対しヌナが謝った瞬間、今度は背中の中心部にコトッと何かが当たった。
それが何なのか。
想像はつくけど信じることができなかった。
身体が固まってしまい、身動き１つ取ることができない。
なのにヌナが、その姿勢のまま…
「私…ジウォンくんのことが…好きなの」
一瞬にして思考が停止した。
私？
本当に後ろにいるのはヌナなんだっけ？
好き？
聞き間違い？
いや、何を好きだって？
って現実？
夢？
頭の中がパニック状態で。
「今更こんなこと言って…もう…迷惑なのかもしれないんだけど…っ！きゃ！」
背中に響くヌナの声。
ときおり聞こえる鼻をすする音。
横を向き確認した、窓ガラスに映る姿。
夢ではなく現実なんだと理解すると、
勢いよく後ろを向き、
ヌナの左手を掴み壁に押し付けた。
驚く表情。
やっぱりヌナだ。
掴んだ左手。
指を動かし手の平をなぞる。
これは夢じゃない。
「ジウォンくん…」
目を逸らし、下を向きながら、
戸惑う声で名前を呼ばれ。
「今…何て言った？」
知りたくて、
早く確認したくて、
ヌナと目を合わせたくて、顔を覗き込んだ。
「ね…待って。ちょ…近いから…」
身体を捩り、顔を背けるヌナ。
けど、
「ヌナ。今、何て言った？」
つい強くなった口調。
すると、ゆっくりと顔を上げ、
目を合わせてくれた。
焦げ茶の瞳が潤んで揺れている。
その瞳に真っ直ぐと見つめられて。
「好きなの…ジウォンくんのことが」
見つめられて、
そんなことを、こんな近距離で言われて。
止めいた呼吸。
フッと息を吐いた瞬間、
膝の力が抜け、床に座り込んだ。
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がほ(プロフ) - みいなさん» こんにちは！コメ下さったのにお返事が遅くなり申し訳ありません。バビペンさんですか？私もバビ大好きで、この作品は初めてジヨン以外の男の子で書いたので、すごく新鮮で楽しかったです！ふとしたスイッチが入れば、またいつか！ (2021年6月3日 9時) (
レス) id: ae37c6ad61 (このIDを非表示/違反報告)
みいな(プロフ) - がほさんの書く作品大好きです…；；読んでてばび〜〜幸せになってくれ〜〜という気持ちでいっぱいでした；；笑 機会があれば、またがほさんが書くiKONの作品を読んでみたです…！ (2021年4月23日 6時) (レス) id: 6dadd51152 (このIDを非表示/違反報告)
がほ(プロフ) - たかさん» こんにちは^ ^コメありがとうございます！再開したい気持ちはあるんですが、どうしてもスンリのことが頭から離れず…まだできずにごめんなさい(T-T)けど、いつもそんな私のお話を読んで下さり、本当にありがとうございます。 (2020年7月3日 23時) (レス) id: c74390b1f3 (このIDを非表示/違反報告)
がほ(プロフ) - あさみさん» そうなるといつも決まってスンリのことを思い出し、なかなか前に進めない感じでいます。けど、またいつか続きを書きたいな…とは思っているので、その時はどうかよろしくお願いします^ ^ (2020年7月3日 23時) (レス) id: c74390b1f3 (このIDを非表示/違反報告)
がほ(プロフ) - あさみさん» こんにちは^ ^コメありがとうございます！猛烈に！？たまに、無性に◯◯が聴きたい！ってなる時があるんですが、あんな感じでしょうか？なら死ぬほど嬉しいんですけど(T_T)私もこのバビver好きです^ ^ジヨンも除隊したし、ジヨンのお話も…と思いつつ、 (2020年7月3日 23時) (レス) id: c74390b1f3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：がほ
| 作成日時：2018年1月22日 1時
