Untitled -3-

ダーズンローズ -Jiyong- ページ50

持っていたバラの花束は、
簡単にリボンで止めていただけのもの。

そのリボンを解き、1本を手にした。

その瞬間。
この意味を知るAが口元に手を当て泣き出した。


ダーズンローズ。

12本のバラの花束。

2人で付き合い始めに観た映画。

プロポーズする際のバラの花束には意味があること。

その時に初めて知ったAは、
驚いて、感心しながらも笑顔で目を輝かせていたこと。

ずっとずっと、覚えていたよ。

いつか俺がプロポーズする時は…
その時から決めてたことなんだよ。

まぁいろいろなやり方はあるんだけど。
俺は俺がやりたいやり方で。

「このバラには感謝を…」

そう言いながらラッピングペーパーの上に、
Aの方を向けて置いた。

そしてまた1本取り、

「このバラには誠実を…、このバラには幸福を…、このバラには信頼を…、このバラには希望を…、このバラには愛情を…、このバラには情熱を…、このバラには真実を…、このバラには尊敬を…、このバラには栄光を…、このバラには努力を…、そして…この最後のバラには永遠を…」

全部のバラをラッピングペーパーの上に置き終えると、何十回も練習したラッピングを手際良く、
無事、キレイにし終え…

手に持った瞬間、
スンリがテーブルを下げに来てくれた。

そして、一歩Aに近づき、
花束を差し出した。

「今言った12個の言葉。全てを、今日、この大切なみんなの前で誓います。愛してるよ、A」

「ありがと…」

泣きながら、
それでも花束を受け取ってくれたA。

みんなが笑顔で拍手してくれるのが嬉しくてたまらない。

けど。

「去年のクリスマス。Aは俺に言ったよね？これからもずっと一緒にいよう？って。あの時はあの時で返事をしたけど…それは変わらないんだけど…」


「え…」


腰を下ろし、片膝を床についた。


土下座しても良かった。
だってそれくらいの気持ちだから。

お願いして、頼み込んででも一緒にいたいんだから。

でもそれじゃあ、さすがにカッコ悪いだろ？
Aだってさすがに…

だからちょっとテレるけど、
ひざまずいて愛を誓うよ。

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