0.TO.10 -Jiyong- ページ34
「A。10年前の今日、何の日だったかわかる？」
「10年前？……あ！今日って。」
「そう。俺らが初めて出会った日。本当は日付が変わってすぐ渡したかったんだけど…ごめん。」
初めて会った時、Aはキレイな白いドレスを着ていた。
ハワイで再会した時は、白いTシャツを着てたし、
テソンのコンサートで会った時は、白いトップスを着ていた。
服だけじゃない。
木蓮の白い花。
プルメリアの白い花。
おにぎり。
記憶を蘇らすキーワードの一つが『白』だった。
「よく…覚えててくれてるんだね。」
「当たり前じゃん。」
頭の奥で眠ってはいたけど、
忘れるわけなんかない。
睫毛につき、朝日に光る涙の粒。
手を伸ばし指で触れると、パッと弾けた。
10年前に別れた時、月明かりの下で同じように涙が光っていた。
記憶が戻り、またあの公園にいたあの夜も、
同じように月明かりの下で涙が光っていた。
まん丸い涙の粒。
『月の雫』のようで。
「パールって、人魚の涙って言われてたの知ってる？」
「人魚の涙？」
「そう。人魚が恋人を想って流した涙が波にはじけて、それで宝石になったんだって。または…月の雫とも言われてるけど。」
「知らなかった。」
「たくさん…泣かせたよね、俺、Aのこと。でももうこの指輪に誓って、二度と悲しい涙や辛い涙は流させない。約束するよ。」
「ジヨン…」
Aが両腕を広げ、俺の首に回した。
俺もそっと…素肌の背中を抱きしめた。
「やっと。やっと呼んでくれた、昔みたいに。」
「ジヨン…って？」
「そう。ジヨンくんも良かったけどね。」
「ジヨン…好き。」
「うん…もっと言って。」
「好き…大好き…」
足らない。
まだまだ足りない。
もっともっと言って欲しい。
A、知ってる？
胸に空いた穴。
欠けた身体の一部。
ほぼ埋まったけど、
もしかしたら一生100％は埋まらないかもしれない。
だって、常にAを求めてるから。
だけど笑顔を見るたびに、
触れるたびに、
Aを感じるたびに、
そこが少しずつ埋まって、
鮮やかな色が塗られていく。
0.TO.10
今日までの10年よりも、
今日からの10年。
10年たっても、20年たっても、
60歳になっても、
ずっと一緒にいるよ。
何があっても。
Aがずっと俺のそばにいてくれるのなら。
いや、ずっとそばにいさせてもらえるよう、
俺が努力するから。
俺にはAしかいないから。
A以外好きになれないから。
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がほ(プロフ) - 癒仁さん» こんにちは^ ^コメありがとうございます！切なくて…キュンとして…少しでもそんな気持ちになって下さったなら、本当に嬉しいです！まだ稚拙な文章ですが、これからも頑張ります^ ^ありがとうございました！ (2017年6月16日 9時) (
レス) id: b9b3e3aa96 (このIDを非表示/違反報告)
癒仁(プロフ) - とっても切なくて、でもキュンとしてとっても面白かったです！！！おつかれさまでした！ (2017年6月16日 7時) (レス) id: cb8edbbef5 (このIDを非表示/違反報告)
がほ(プロフ) - ritaさん» こんばんは☆コメありがとうございます^ ^次作も頑張ります^ ^ (2017年6月15日 22時) (レス) id: b9b3e3aa96 (このIDを非表示/違反報告)
rita(プロフ) - お疲れ様でした(*´Ｕ`*) (2017年6月15日 19時) (レス) id: 126bc83529 (このIDを非表示/違反報告)
がほ(プロフ) - tomatoさん» こちらこそ、プロではないし、ただの素人の作品なのに、そんなに褒めて頂いて胸がいっぱいです。本当にありがとうございます。書き終えた安堵感はあれど、すでに妄想に飢えつつあるので…本当にすぐ書き始めると思います^ ^また読んでもらえると嬉しいです^ ^ (2017年6月15日 18時) (レス) id: b9b3e3aa96 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：がほ
| 作成日時：2017年5月12日 11時
