欠けていたモノ -Jiyong- ページ4
会いたかったとか。
待ってたとか。
少女マンガに出てくるようなそんな展開を期待していたわけではない。
だけど多分。
どこかで期待はしてたんだと思う。
俺と同じように、
Aも会いたいと望んでくれたら…と。
けど、そう望んでたのは俺だけだった。
Aの口調や仕草が胸に突き刺さる。
怖い。
手を伸ばせば届くほど近くにいるのに。
記憶が戻った時、Aはそばにいた。
そばにいた、と言うか、居場所がわかっていた。
どこにいるのかわからないのではなく、
ずっと近くにいたわけじゃないけど、
また再会していた。
俺からしたらそれは、運命や奇跡としか言いようがない。
なのに。
こんなに身体は近くにいるのに、
お互いの心と心はとてつもなく離れているのを感じ、もうどうしたらいいのかわからず…
これ以上遠くへ行ってほしくなくて、
だけどその決断が正解なのかどうかもわからないまま、Aの腕を掴み引き寄せた。
ギュッと抱きしめると柔らかくて、
深く、深く。もっと深く。
思いっきりその匂いを嗅ぎたいほど、
呼吸をするたびにAの匂いが身体を巡る。
会いたかった。
本当に会いたかった。
心の底からそう思った。
もう離せない。
離したくない。
そう思ったのに…
バッと身体が突き離された。
突き離されたこと。
その行動だけでもかなりキツかった。
なのにAの口からは心臓をえぐるような言葉が出てきた。
なかったこと…
なんで？
なんでそんなことを言うの？
どうやったら信じてもらえるのか。
懐かしい…
たしかに懐かしいよ。
だけど懐かしい9年前の記憶が戻ったからといって、
それで好きだと言ってるわけじゃない。
気になるとか、
会いたいとか、
触れたい、抱きしめたいとか、
怖いとか、
胸が痛いとか、
相手の気持ちが気になるとか、
相手にも自分と同じ気持ちを望むとか、
もっとこうしていたいとか。
9年前、俺はAの記憶だけ失った。
だけど失ったのはそれだけじゃなかった。
欠けたと思っていたのは、その一部の記憶だけだと思っていたけど、『恋する気持ち』。
その気持ちも失っていたのだと。
この9年。
全くそういう気持ちにならなくて、
自分は人間的に欠けてるのかと1人悩んでいた。
だけどその理由も俺にはわかる。
俺が恋をするのは、
昔も今もAだけ。
失った記憶。
失った気持ち。
記憶が蘇れば、気持ちも蘇る。
だけどはそれはAだけ。
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がほ(プロフ) - 癒仁さん» こんにちは^ ^コメありがとうございます！切なくて…キュンとして…少しでもそんな気持ちになって下さったなら、本当に嬉しいです！まだ稚拙な文章ですが、これからも頑張ります^ ^ありがとうございました！ (2017年6月16日 9時) (
レス) id: b9b3e3aa96 (このIDを非表示/違反報告)
癒仁(プロフ) - とっても切なくて、でもキュンとしてとっても面白かったです！！！おつかれさまでした！ (2017年6月16日 7時) (レス) id: cb8edbbef5 (このIDを非表示/違反報告)
がほ(プロフ) - ritaさん» こんばんは☆コメありがとうございます^ ^次作も頑張ります^ ^ (2017年6月15日 22時) (レス) id: b9b3e3aa96 (このIDを非表示/違反報告)
rita(プロフ) - お疲れ様でした(*´Ｕ`*) (2017年6月15日 19時) (レス) id: 126bc83529 (このIDを非表示/違反報告)
がほ(プロフ) - tomatoさん» こちらこそ、プロではないし、ただの素人の作品なのに、そんなに褒めて頂いて胸がいっぱいです。本当にありがとうございます。書き終えた安堵感はあれど、すでに妄想に飢えつつあるので…本当にすぐ書き始めると思います^ ^また読んでもらえると嬉しいです^ ^ (2017年6月15日 18時) (レス) id: b9b3e3aa96 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：がほ
| 作成日時：2017年5月12日 11時
