車 -You - ページ50
A
頭の中でこだまする、私の名前。
おじぎをしたまま頭が上げられない私。
「A。」
もう一度そう呼ばれた瞬間、
目頭が熱くなった。
見つめる床がぼやけて見えてきた。
必死で唇を固く結んだけど、
ポトッと床に涙が溢れた瞬間、
我慢できず、嗚咽が漏れた。
手で涙を拭き口を押さえたけど、
どうしてもまだ、頭を上げることができない。
ジヨンくんを見るのが怖い。
その時、後ろから話し声が聞こえてきた。
ここがテレビ局だということを忘れていた。
こんな所、誰かに見られたら…
「こっち。」
「…ちょ！ジヨン…さん！」
突然腕を引っ張られて、階段を下へと降りた。
「ちょっと待って…下さい。腕…見られたら…」
ゆっくりと、でも掴んだ腕は離さずに階段を降りるジヨンくん。
私が何を言っても、返事はなかった。
着いた場所は地下駐車場。
たくさんの車の間を通って、一台の黒い車の前でやっと止まった。
ピピッと音がして、ドアが開いた。
振り返ったジヨンくん。
「乗って。」
口角は上がって、微笑んでるようにも見える。
だけど、悲しそうな、苦しそうな表情。
ねぇ、ジヨンくん。
思い出したの？
思い出してくれたの？
その言葉がもうここまで出かかってるけど、
本当は聞かなくてもわかる。
だけどやっぱり足は動かなくて、
どうすべきなのかわからなくて…
だけど。
「この後、何か予定合った？もしないなら…一緒に行きたい場所がある。」
行きたい場所…
それもどこかわかるよ。
そこまで、本当に全部思い出してくれたのかな？
優しく力を入れて引き寄せられて、
車の中に入ったのは私。
ドアを閉めてくれて、
ジヨンくんも乗り込んで、またドアの音。
この空間の中に2人きり。
息をするのも苦しい。
だって、ジヨンくんの匂いが溢れているから。
どこを見ても、ここはジヨンくんの車なんだと。
そう思うだけで、
ジヨンくんの空間に入ったと思うだけで身体が縮こまる。
静かな車内。
本当に小さな音で音楽が流れている。
ジヨンくんも、もちろん私も、
何も話さない。
10分…15分くらい走ったかな？
「着いたよ。」
顔を上げて窓から外を見た。
ほらね、やっぱりここ。
「A。外で話そっか。」
頷いて、シートベルトを外していると、
外からドアが開いた。
「ん。」
差し出された手。
迷わずその手を取った。
私、覚えてた。
ジヨンくんのこの手。
あの頃と変わらないその手の暖かさ。
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がほ(プロフ) - ritaさん» ただいまですー(＾∀＾)またボチボチ書き始めますので、よろしくお願いしまーす！！ (2017年4月19日 21時) (
レス) id: b9b3e3aa96 (このIDを非表示/違反報告)
rita(プロフ) - おかえりｯ☆(*´∀`*)ノ (2017年4月17日 23時) (レス) id: 126bc83529 (このIDを非表示/違反報告)
がほ(プロフ) - まあさん» こんばんは☆更新も滞り、いただいたコメの返信もしないまま、本当にすみませんでした>_<またボチボチ書き出していこうと思ってますので、続きを読んでもらえると嬉しいです^ ^コメ本当にありがとうございました！ (2017年4月12日 23時) (レス) id: b9b3e3aa96 (このIDを非表示/違反報告)
がほ(プロフ) - KUMIさん» こんばんは☆更新も滞り、いただいたコメの返信もしないまま、本当に長々とすみませんでした>_<またボチボチ書き出していこうと思ってますので、もしよかったら、また読んでもらえると嬉しいです^ ^コメ本当にありがとうございました。 (2017年4月12日 23時) (レス) id: b9b3e3aa96 (このIDを非表示/違反報告)
がほ(プロフ) - まいこさん» こんばんは☆更新も滞り、いただいたコメの返信もしないまま、本当にすみませんでした>_<また書き出していこうと思ってますので、もしよかったら、また読んで下さいね^ ^コメ本当にありがとうございました。 (2017年4月12日 23時) (レス) id: b9b3e3aa96 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：がほ
| 作成日時：2017年1月23日 1時
