彼女 〜You〜 ページ49
女の子が角を曲がる。
続けて、私が曲がる。
目の前を女の子が走っている。
手にはあの、ジヨンくんと同じ黒いストールを持って。
さっき拾った時、わかったの。
厚みがあるのに柔らかなあの肌触り、ロゴも同じだった。
女の子の前にはスマホを持ったジヨンくんがいる。
そしてジヨンくんに飛びつくように抱きついた。
私は一瞬息が止まり、急いでまた角を曲がり身を隠した。
隠したつもりだったけど、一瞬、ジヨンくんと目が合ったような気がした。
急いで動いたから、持っていたクラッチバッグを落としてしまった。
しかも最悪な事にファスナーが開いていて、名刺入れが落ちてしまい、床にばらまいてしまった。
急いで拾おうとするも、涙で視界が見えない。
廊下は決して静かじゃないのに、女の子の声だけはずっと聞こえてくる。
「ジヨーン、会いたかった！ずっと電話してたんだよ？全然出てくれないから来ちゃった！」
ジヨンくんの声は低く、くぐもってて聞こえないけど、
「えー！なんでそんな冷たいこと言うの？彼女だよ？」
彼女…？誰の？
ジヨンくんの？
「ねぇ〜。今日ジヨンのホテル行きたいな。」
これ以上聞けない！！！
この場から離れようと向きを変えた瞬間、誰かにぶつかり、手に持っていた拾った名刺が何枚かまた落ちてしまった。
もうほんとに嫌だ…
「すみません！」
なるべく泣いてる顔が見えないよう深く頭を下げ、そのまましゃがみこみ名刺を拾おうとすると、
「Aさん？」
名刺を拾う手が一瞬止まり、私の手のひらにそっと手が重なる。
この声は…テウンさん？
「どうしたの！？何があったの！？」
「いえっ…何も…大丈夫です！本当にすみません！」
「Aさん！！」
名前を呼ばれるも、テウンさんに見られた事が恥ずかしく、ただテウンさんから離れたい一心で、バカな私はジヨンくんと女の子がいる方へ、また角を曲がってしまった。
そうだ！
気づいた時には遅くて、声で気づいたのだろう2人がこっちを見ていた。
もう女の子は抱きついてはいないけど、ジヨンくんの右腕を握ってる。
「Aさん、待って！」
私も後ろからテウンさんに右腕を握られ、4人はお互いを見つめ合った。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 801人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「K-POP」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
がほ(プロフ) - miiさん» こちらにまでコメント下さったんですね^ ^ジヨンのお話はお休みしてますが、好きは変わりません^ ^ (2021年9月25日 16時) (
レス) id: ae37c6ad61 (このIDを非表示/違反報告)
mii(プロフ) - 好きー (2021年9月23日 9時) (レス) id: d47eb74ff4 (このIDを非表示/違反報告)
がほ(プロフ) - リンナさん» リンナさんこんにちは(^ ^)ヌナは韓国語で男の子が年上の女の人を呼ぶ時に使います。お姉さんって意味です(^ ^)オンニも出てきますが、これは女の子が年上の女の人を呼ぶ時に使います。どちらもお姉さんって意味なんですが、男女で呼び方が違うんです(^ ^) (2016年1月24日 11時) (レス) id: b9b3e3aa96 (このIDを非表示/違反報告)
リンナ - ヌナってドゥいういみですか？ (2016年1月24日 10時) (レス) id: 9cedcfc370 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：がほ
| 作成日時：2015年11月19日 9時
