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「はい、煉獄さんどうぞ。
暑いので気をつけてくださいね。」


「ありがとう!」



私が持つとかなり熱いはずなのに、全くそんな素振りを見せない。


いろんなところが鍛え上げられてるんだなぁ…



「私は夜風にあたりに行きますが、煉獄さんも来ますか?」




部屋から出てきたということは、きっと彼も眠くならないんだろう。


初めて来た家だ、誰でもそうなる。


そう思いお誘いすると、私の考えは当たったみたいで 頷いてくれた。




…………………………………………………




ヒュウ…と程よい風が吹きつける。

ホットミルクを片手に私達は ベランダの椅子に座った。









「……。」


「……。」









えっと…?






お互いホットミルクを飲み始めたからなのか、全く何も喋らない煉獄さん。



ホットミルクにまた驚いてるのかな?









「…俺がいなくなった後、鬼殺隊はどうなっているのだろうか。」









ボソ…と呟いた言葉。







その言葉に、私は返答できなかった。




実は無限列車編の後の巻を、まだ煉獄さんには見せていない。

このあと起こる鬼舞辻無惨との戦いは、想像を絶するものだった。



鬼殺隊の最高位のお館様や柱、さらに何千何万人という隊員が亡くなっている。

そして、彼が叱咤激励をした 竈門炭治郎でさえも危険な状態に陥った。


そんな状況を見せて、本当に大丈夫だろうか…?












「煉獄さん…」


「よもや!こんな暗い話をしてしまうとはすまない!!不甲斐ないな!穴があったら入りたい!!!」









きっとすっごく気になってるんだよね…




すぐに明るく取り繕った彼に、胸がズキンと痛む。







でもごめんなさい。まだ、もう少しだけ、真実を伝えないことを許してください。









「穴はないので掘らないでくださいね。」







私が微笑むと、煉獄さんは何かに気がついたような表情になった。



だが私に問いただすこともなく、普通に会話をしてくれた。




……………………





「それじゃあ 本当におやすみなさい。」


「ああ!付き合ってもらって すまなかった!」



二度目の"おやすみ"を伝え、今度こそ部屋に戻った 煉獄さんを見送った。






中身が空になったコップは まだほんのり温かい。


煉獄さんは大層気に入ったらしく、三杯も飲んでいた。








「少しは元気になってくれたかな…」




コップを洗う手が止まる。






私の呟きは 水の音とともに掻き消えた。

玖→←漆



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設定タグ:鬼滅の刃 , 煉獄杏寿郎 , 逆トリップ   
作品ジャンル:アニメ
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☆未来音★(プロフ) - 憐さん» 感想ありがとうございます。同じ煉獄さん好きとして、そのようなコメント嬉しいです*なかなか更新が難しいですが、これからもよろしくお願いします。 (2020年6月25日 19時) (レス) id: 6b00124018 (このIDを非表示/違反報告)
☆未来音★(プロフ) - けいさん» コメントありがとうございます。一言ですが、とても伝わってきます。もっとその気持ちが強くなるよう、がんばって更新していきますね。今後もよろしくお願いします。 (2020年6月25日 19時) (レス) id: 6b00124018 (このIDを非表示/違反報告)
☆未来音★(プロフ) - アリスさん» 感想ありがとうございます。そう言っていただけてとても嬉しいです。ゆっくりですががんばらせていただくので、これからもよろしくお願いします。 (2020年6月25日 19時) (レス) id: 6b00124018 (このIDを非表示/違反報告)
- とても素晴らしい夢小説を、ありがとうございます!煉獄さんは大好きなので、とても嬉しいです!どうかご無理をなさらず、更新を頑張ってください。応援しております! (2020年6月21日 18時) (レス) id: 56a87d2e69 (このIDを非表示/違反報告)
けい - うまく言葉に出来ないので一言。        好きです        (2020年6月11日 12時) (レス) id: c43b0ed0fe (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:☆未来音★ | 作者ホームページ:http:/  
作成日時:2020年4月22日 1時

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