恋人までのキョリ (ページ43)

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43ちょこっと北山さんページ43

「ねえ、綾香。あれ、よこーさんじゃね？」

「横尾さんがこんなところにいるわけないじゃん。」

「よく見てみろよ。外に並んでる人。めがねかけて。」

「みっくん、こんなところに横尾さんがいるわけないじゃん。見間違えでしょ？
横尾さんとパンケーキって交わらないよ。

こっちからは並んでる人見えないし。

もう、よそ見してたらこぼれるよ？」

「ヤバっ！」

「みっくん！もお？ちゃんと前向いて食べてよ。生クリーム飛んできたよ？」

「横尾さんで、確定だわ。
隣に成見ちゃんいる。」

「ウソ！」

「綾香。静かに。」

「恵理花ちゃんが？横尾さんと？」

「こっち来いよ。」

あの堅物の横尾さんが？
パンケーキ？？？！！！
それも並んでるの？

「ほんとだ…。横尾さんが楽しそう。

恵理花ちゃんから、何も聞いてない…。」

「成見が仔猫拾ったとかでそこから急展開なんだけど。怪しいと思ってたんだよ。」

「仔猫拾って遊べないっていってたけど…。」

「横尾さんに聞いたけど、何にもないって
言ってたよ。ほんとに猫のことだけって。」

「いいなぁ。私も猫ほしい。」

「里親探してるよ？」

「いいの？」

「いいよ。あとで成見ちゃんに聞いてみよーぜ。」

「恵理花ちゃんがすごい女の子なんだけど…。」

「たしかに…。恋する乙女だな。」

「横尾さんもまんざらではないんだけど。」

「ワンコの前では横尾さん、あんなんだよ。」

「それも想像できないんだけど…。」

「もう少し観察したい。」

「買い物どころじゃないね。」

「平成最後の大事件だわ。藤ヶ谷にもラインしよ。」

「横尾さんがなんかかっこいい…。

あんな優しく見つめられたら好きになっちゃうよねぇ。」

「なんだよ。それ。よこーさん見てうっとりしてんなよ。」