恋人までのキョリ (ページ3)

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月曜日。

先週金曜日の歓迎会では、めっちゃ迷惑そうにしてた横尾さんの元で1年間の修行。

歓迎会から家に帰ってから、どうすれば横尾さんとやっていけるか考えた。

いくら考えても攻略法がわからへんから、
厳しい修行なんやと思うようにした。

早く出勤したけど、部署に入ってもすることがわからへんから与えられたデスクですぐにメモがとれるように準備をする。

お茶の用意や電話の取り次ぎは事務の篠崎さんがしてくれてるし…。

事務の篠崎さんが
「横尾くんなんだ。がんばるのよ。」って。

「はい！がんばります！」って返すと
温かいお茶を入れてくれた。

みんながちらほらと出勤してくる。

「藤ヶ谷さん、おはようございます！」

「おはよう。成見ちゃん、今日からよろしくね。」

「はい。お願いします。」

「成見、今日も元気だな。」

「北山さん、おはようございます。」

あ、横尾さん。

「横尾さん。おはようございます。」

「おはよう。」

頭をあげるときにチラッと横尾さんを見ると…、
今日も睨まれてる…。

横尾さんが盛大な溜息をつきながら私のとなりのデスクに座る。

あー、こわっ。

「今日からさっそく営業先あいさつ回りするから。」

「はい！」

「今日行くところは5カ所。」

それぞれの会社の規模、売れ筋商品や客層など丁寧に教えてくれる。

はじめて行くところを想像しながらメモをとる。

こわいけどちゃんと教えてくれてよかった。

メモをとりながら横尾さんをチラ見。

横尾さんの横顔はきっちりとした性格を映し出すように美しく整然としている。

スラリとした体型に合った細くて長い指。

見とれていると「集中しろ」って
私の周りがマイナス30℃くらいになった。

やっぱり、こわっ。