恋人までのキョリ (ページ13)

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食べなくて、心配でニャン吉を膝にのせたまま動けないで泣いてたら、ピンポーン。

何か買ったっけ？お母さんからの宅急便？

ドアスコープをのぞく。

横尾さんがいる！！！

えーーーー！！します

すこーしドアを開けると横尾さん！！！

「おまえ、ちゃんと飯食えよ。ここおいとくから。」

お礼、言わないと！
あわててドアを全開にして…。

涙は出てくるけど言葉が出てこない。

「どうした？そんなにしんどいのか？」

「何でもないです…。」

「食えそうなもの買ってきたからちゃんと食べろよ。あったかくしろよ。」

「…。」

「おまえ、どうしたの？なんかあった？
仕事つらいか？俺が来たらよけいいやか…。

悪かったな。」

「ちがいます！」

「誰かいる？」

「仔猫…。」

「飼ってんの？」

「飼ってる…というか、先週拾いました…。

えさ、食べてくれなくて…。」

「それでおまえ元気ないの？」

「すいません…。仕事も半人前なのに…。」

「見ていい？」

「どうぞ。」

「そんな顔するな。」

「ごめんなさい…。」

横尾さんがうちにいる…。
なんて不思議な光景なんだ。

ニャン吉を見て歯を確認。

「何食べさせてんの？」
ずらりと並ぶ猫缶。
横尾さんが猫缶の原材料をにらんでる。

「はじめは食べたんですけど…。」

「キャットフード以外は？」

「何にも…」

「俺、買い物してくる。ごはん作ってみる。

それから、この部屋もっと暖房きかせて。
仔猫寒がりだから。

すぐに帰ってくるけど、またインターフォンならすから。ちゃんと鍵かけて。」

「はい…。」