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橙side
朝から淳太くんの様子がおかしいのは気づいていた。少し元気がなくてぼーっとしがち。こんな淳太くんになる時は特別仕事が忙しい時かそうじゃなければ…しげ関連。
「…で、どうしたん？」
飲みの場で目の前に座る淳太くんにそう聞くと彼は少し目を泳がせてから俯いた。
「前な、しげに会ってん」
「週刊誌撮られた後？」
淳太くんは顔を横に震る。
「その当日」
「…ほぇー…」
「なんやねんその反応…」
ジト目で俺を見つめる。俺は苦笑いして続きを促す。
「のんちゃんと飲む約束しとったから東京に帰ってきて駅前で待っとったらしげに会った」
「…何話したん？」
そう訪ねると途端に淳太くんは目に涙を浮かべた。
「…ごめん」
「え？どうしたん？怒ってへんで？」
慌てふためく俺の振動のせいか淳太くんの目から涙がこぼれる。
「しげものんちゃんも悲しませた」
「…え？」
「ふたりのこと。俺が悲しませた」
眉を顰めて必死に伝えてくれる淳太くん。俺はいまいち状況が理解出来なかったがその後ゆっくりとその日のことを話してくれた。
「嘘やって疑わんとせずに勝手に傷ついてのんちゃんの予定もバックれて逃げてん」
「おん」
「濱ちゃんにも迷惑かけて、俺…ほんま…最低やな」
そう笑う淳太くんを俺は抱きしめる。
「あきと…」
「最低やない。最低やないよ」
最低なんかじゃない。しげも望も濱ちゃんも淳太くんも。自分の恋に必死に一生懸命向き合ってるだけ。それの何が最低なのだ。
「あんまし、俺の大好きな相方を蔑まんといてや」
そう伝えると淳太くんは俺のシャツをぎゅっと握りしめた。
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作者名：年長さん | 作成日時：2023年3月25日 1時
