シャッターチャンス(赤×黄) (ページ12)

今日:6 hit、昨日:1 hit、合計:40,139 hit

12 ページ12

桃side

不思議そうな顔をしているしげのことをおいて先にスタジオに入る。しげは知らないのだろう。自分の恋がメンバー全員に知れ渡っていることを。

「…はぁ…」

そして俺もしげのことが好きなことも。頬杖をつきながら先程ぶつかったスタッフさんと話しているしげを見やる。
…お前が好きなんは淳太やろ。

「しげ！早く！」
「あー！ごめんって」

俺に呼ばれて軽く会釈してからスタジオに入ってくる。

「なんの話ししてたん？」
「ん？軽い話やで。内容のない」
「ふーん」

わざと興味無さげに答えると不満そうな顔が目に入る。その顔に笑いを堪えているとラジオの収録が始まった。

「メンバーの謎な関係を教えてください！やって」
「謎な関係なぁ」

そんな謎なお便りが来て素直に思考を巡らしているしげを余所に俺は口を開いた。

「俺あるで」
「え？なに？」
「しげが淳太の写真めちゃくちゃ撮っとんねん」

いつもメンバーを振り回す側のしげが戸惑っているのは心底面白い。

「ここのふたりの関係は謎やな思いますけどねぇ」
「お前ほんまっ」
「どおどお」

鎮めるように言うとしげはまんまと鎮められ不貞腐れたように声を出した。

「なんで言うん」
「…ええ関係やなって思ったんよ」

俺の言葉に豆鉄砲を食らった鳩のようになっているしげを横目に思うのだ。俺が抑えられなくなる前に早く付き合ってしまえと。