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tnside
扉を開けると錆びついた音が聞こえる。心為しか開き方も鈍い。
湿っぽい室内を歩いていくと、鉄格子の前でゾムが仁王立ちをしていた。鉄格子の中には、グルッペンの言う“売国奴”が居るだろうが、此方からは見えない。ただ吸い込まれそうな黒さがその空間にはあった。
zm「やぁっと来たか。……ほい。コイツや。」
ゾムが蝋燭で鉄格子を照らす。中が見え、そこに青年が地べたに座っていることが視認出来た。目には黒い布が巻かれていて、視覚が遮断されている。しかし、驚くことに男の体は薄汚れてはいるが、爪を剥がされていたり、はたまたちょっとずつ皮膚を抉っていく等の拷 問の形跡はない。男は拷 問せずとも情報を吐いたのだ。
gr「ゾム、コイツの布を外せ」
グルッペンがそう言うと、一言生返事をしてから乱暴に布を取っていく。現れたのは深淵の黒。闇しか写さないその瞳の周りを長い睫毛が覆う。ちょうど男と目が合う。緊張感に固唾を飲んだ。
gr「貴様の名は何だ。」
グルッペンが言うと、男が不気味な笑みを見せる。
「A、A・ヴァージルと申します。」
gr「何故、ここに来た。」
「Я国を滅ぼして欲しいから、です。」
gr「勝算は？」
「貴国に有ります。余程のことがなければ、必ず勝つでしょうね。」
ヴァージルは、また笑ってみせた。
「あぁ、後これを。」
そう言って投げてきたのは、銀色のモノ。指輪だった。小さな青い宝石が埋め込まれているそれをゾムが拾う。
「それを解析してください。中にはUSBカードが入っています。」
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めい - 好きです！次の更新待ってます！ (2020年4月3日 23時) (
レス) id: f3d3ee67c0 (このIDを非表示/違反報告)
通(プロフ) - 女主の小説も良いですが、黒井様の書くような男主の小説も良いですね。文の構成も知識も全てに置いて素敵です。思わずｺﾒﾝﾄまでしてしまいました･･･。素晴らしい物語を何時までもお待ちしております (2020年3月1日 17時) (レス) id: 1f72a45fdd (このIDを非表示/違反報告)
黒井 屑(プロフ) - ???さん» USBの件はめちゃくちゃ考えたので嬉しいです。好みの作品なんて私にはもったいない言葉まで……。有り難う御座います。夢主はめちゃくちゃ屑野郎にするので宜しくお願いします。 (2020年2月25日 7時) (レス) id: e4083a4f17 (このIDを非表示/違反報告)
黒井 屑(プロフ) - マヨネーズさん» あ“ぁ”ｯ有り難う御座います。お星様も下さるなんて……とても感謝です。更新頑張ります。 (2020年2月25日 7時) (レス) id: e4083a4f17 (このIDを非表示/違反報告)
???(プロフ) - 文の構成や言葉選びも素晴らしく､丁寧でとても好みの作品です。男主が売国奴というのが非常に好きで好きで…USBの件で有能さが滲み出ているのが好きです。コメント下さいと記してあったのでコメント致しました。自分のペースで更新頑張ってください。 (2020年2月25日 1時) (レス) id: 95cdddf683 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：黒井屑 | 作成日時：2020年2月11日 17時
