鉄壁 ページ14
Aside
…猛烈に寝起きが悪い。
それは他でもないあの夢のせいだ。
『本当にそれでいいの、かぁ…』
確かに、引っかかる事が無いと言えば嘘になるけど、私は決めたんだ。
それに、今更どうこうしても後の祭りだ。
もう後戻りできないし、するつもりもない。
まあ、それは置いといたとしても…
何でこのタイミングであんな夢を見たんだろう。
うーん…。
思い当たることがあるとすれば、
昨日、夜に屋根に上ったことくら「どうかしたの？A。」
『＿ｯ、ううん。なんでもないよ、
ママ。ちょっと考え事してただけ〜！』
ママ「…そう？なんだか今朝は元気が無さそうだったから。」
そう言ってママは私に向かって微笑みながら、私の耳を触った。
『実は、昨日の皆のサプライズが嬉しすぎてなんだかよく眠れなくって〜…』
ママ「…ふふっ、Aらしいわね。でも今日はしっかり寝なきゃだめよ。」
『はーい…。あっ、そうだ。そこのお皿、運んどくね！』
そう言って私はお皿のある方へと歩いて行った。
…っ、さすがだよママ。
そうか、最年長になるってことはこういうことなのか。
徹底した商品の管理。
さらっと耳の異常の有無を確認して、脈も測る。
…そして、あの鉄壁の笑顔。
やっぱりママは敵だ。
…でもまあ、さっきので私はそこまで警戒されてない事が改めてわかったかな。
本当にママが警戒して様子を伺っているときは、
じっと私たちの目を見て、瞳孔の開き具合まで確認するもん。
さっきのはあくまで商品の品質を守るための行動、それだけだった。
私もママの様子を観察してみたけれど、あの言葉に裏は無かった。
…まあそうだとしても、私はママへの警戒を緩めることはないけどね。
さっきも肌で感じたけど、私は今最年長だ。
計画はもう始まってる。
だから私はこれまで以上にちゃんとママの行動に注意しなくちゃいけない。
…その為に、まだあまり警戒されていない小さい頃にママの反応の特徴を覚えたけどね。
例えば嘘をつくときは、瞬きが少し遅くなるとかね。
こっちは準備万端だよ？ママ。
それに、脱出のための準備をしてるのは私だけじゃないし。
…悪いけれどそれ、利用させてもらう事にするよ
レイ。
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紅華 - 面白いです！更新待ってます！ (2020年6月15日 19時) (
レス) id: 7b082dad3b (このIDを非表示/違反報告)
えのきの里(プロフ) - 外すの忘れちゃってました…わざわざ教えていただきありがとうございます！ (2019年3月21日 19時) (レス) id: 5e9c55c38c (このIDを非表示/違反報告)
かなと - オリジナルフラグをお外し下さい (2019年3月21日 19時) (レス) id: c596c0896b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：えのきの里 | 作成日時：2019年3月21日 19時
