約束 ページ12
Aside
それからなんやかんやあって、今は夜だ。
私は、改めて決意をするためにも、ある場所に来ていた。
そこで、私は一人もの思いにふけっていた。
…今日は、ほんとに幸せだった。
皆にあんなに祝ってもらえて。
嬉しかった。
でも私、思うんだ。
私が助けなかった他の出荷された子たちも、
もし生きていたならこんな生活が送れていたんだろうなって。
…こんな私がこんなに幸せでいいのかって。
後ろめたくなるんだ。
私は、たくさんの兄弟たちを犠牲にして今ここに立っている。
何人も何人も見捨ててきた。
知らん顔してきた。
…それはその子たちを殺しているのと同じなんだって、ホントはわかってる。
本当の私は冷徹で血も涙もない人間なんだ。
でも、そんな自分を認めたくなくて、
信じたくないから私は自分自身を偽る。
…その点、私とママは似てるのかもしれないね。
ねえ、ママ。
あなたに似せて歪に育った私はもがくよ。
ママはあきらめてしまったのかもしれないけれど。
私はあきらめない。
皆を逃がすためなら、私は喜んで犠牲になるよ。
自分自身を真っ赤な手錠で縛り付けることになっても。
…約束を果たすよ、お姉ちゃん。
そう、まさにこの場所。
屋根の上で交わしたあの約束。
「私はもうすぐ食べられちゃうの、だからAは私の分も生きて。
そして皆を連れてこのハウスから逃げて。約束。ねっ？」
あの時の姉の言葉が、
あの時の記憶の叫びが、
チクリと私を刺したような気がした。
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紅華 - 面白いです！更新待ってます！ (2020年6月15日 19時) (
レス) id: 7b082dad3b (このIDを非表示/違反報告)
えのきの里(プロフ) - 外すの忘れちゃってました…わざわざ教えていただきありがとうございます！ (2019年3月21日 19時) (レス) id: 5e9c55c38c (このIDを非表示/違反報告)
かなと - オリジナルフラグをお外し下さい (2019年3月21日 19時) (レス) id: c596c0896b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：えのきの里 | 作成日時：2019年3月21日 19時
