二十話 ページ23
その後、賢治くん達と別れて、私は家に戻った。
一人でゲームをやったり、アニメを見たり、お菓子を食べたりダラダラしていると、あっという間に時間は過ぎていくものだ。
ピーンポーン
突如、家のインターホンが鳴る。
『はいはいっと。宅配便かな?』
私は何の疑問も持たずに、そのドアを開けてしまった。
唯、インターホンが鳴ったから出ただけなのに。
『どちらさ───んぐっ!?』
ドアを開けた瞬間、布を口に押し付けられた。
隙間から見えたのは、黒服で長身の男。
ポートマフィアの人達が着ている物に、酷似している。
力が抜け、意識が薄れていく。
(だれ、か──────にい、ちゃん────)
伸ばそうとした手にも力が入らず、私は其の儘意識を失った。
─────────────
────────
───
『………………此処は?』
次に目を開けた時には、薄暗い部屋にいた。
向こうに灯りが見え、其処が出入口だと認識出来た。
どれ位、私は意識を失っていたんだろうか。
若し半日経っていたのなら、恐らく兄ちゃんが気付いているだろう。
でも、私はポートマフィアの人間という訳では無い。流石の兄ちゃんでも、首領を説得してマフィアを動かす事は出来ないだろう。
私なんかの為に、そこまでする価値はない。
暗闇に目が慣れ、私は漸く自分がどんな所にいるのか分かってきた。
地下の様な冷たい空気。窓は無いが、換気扇はある。私が縛り付けられている椅子以外の家具は、何も無い。そして………
『……………うっ。』
鉄の様な匂いが鼻を突き刺す。
恐らく、血の匂い。
此処は、拷問部屋か何かか………?
「…………やぁ、お目覚めかい?」
そう云って、たった一つしかない扉から男が入ってきた。
先程私を襲ったのとは別。もっと小柄だ。
「キミがポートマフィア幹部、中原中也の妹である事は調査済みだ。だから彼を誘き寄せる人質になってもらった。大丈夫、人質だから殺しはしないよ。」
─────────今はね。
いずれは、殺すのか。
別に抵抗したところでどうにもならない。
まず抵抗のしようがない。
という事で、私は素直に従う事にした。
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桃茶(プロフ) - 詞音さん» ありがとうございます!夜中の3時…!?ちゃんと睡眠も取ってくださいね!w (2018年4月9日 7時) (レス) id: d281eb019e (このIDを非表示/違反報告)
詞音 - 面白かったです!ついつい夜中の3時後まで読んでしまいましたw 他のも見ときます! お疲れ様でした。(´∀`) (2018年4月9日 3時) (レス) id: 6b5092fe94 (このIDを非表示/違反報告)
桃茶(プロフ) - 御免なさい、三十二話とあとがきが何故か消されていて……形的にはこれで終わりです!閲覧ありがとうございました! (2018年4月3日 13時) (レス) id: d281eb019e (このIDを非表示/違反報告)
悠爽 - 終わるんですか!?とても良い作品だったのに!でも作者さんお疲れ様でした。とても素敵な作品で面白かったです!!! (2018年4月3日 13時) (レス) id: e139e0903a (このIDを非表示/違反報告)
涼(プロフ) - え・・・終わっちゃうの!?・・・・・おもしろかったです!! (2018年4月3日 12時) (レス) id: da69d52ea0 (このIDを非表示/違反報告)
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