九話 ページ11
同刻、扉に寄りかかっていた中也は、複雑な表情を見せた。
少し耳を済ませれば、中の会話は聞こえる。
────私一人くらい、平和ボケしていたい。
「!!」
扉の向こうにいるAの声は、凛としていた。
自分の意思を、確りと伝えようとしている。
中也の頭の中には、小さい頃のAの姿がフラッシュバックしていた。
────私、人殺しなんてしたくないよ……
(…………それで善い。其れでこそ、俺の妹だ。)
.
『御免、遅れて。』
「構やしねェよ。」
Aと二人でエレベーターに乗り込み、下降する。
何処か遠くを見つめるようなAを見て、中也は話題を示した。
「今日は、早く帰れる。」
『うん。』
「晩飯は鍋がいいな。」
『分かった…………え、鍋!?』
楽でいいけどさ………とAは頭を掻いた。
外に出ると、この季節には珍しく随分冷え込んでいた。
確かに、鍋をするには丁度良い。
『桜、咲くかな。』
「咲いたらお花見でもするか?」
『兄ちゃんみたいなマフィアが、お花見?』
ぷっ、とAは吹き出す。
それこそ、平和ボケしていたからだ。
『上物のワイン、買っとく。』
「そいつはありがてぇ。」
そう云って、中也はAの頭をわしゃわしゃと撫でた。
それは強い力だったが何処か優しくて、Aは心地好く感じた。
✄--------------- キ リ ト リ --------------✄
余談ですが、私の住む北海道ではまだまだ雪が積もっております。
寒いです。
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桃茶(プロフ) - 詞音さん» ありがとうございます!夜中の3時…!?ちゃんと睡眠も取ってくださいね!w (2018年4月9日 7時) (レス) id: d281eb019e (このIDを非表示/違反報告)
詞音 - 面白かったです!ついつい夜中の3時後まで読んでしまいましたw 他のも見ときます! お疲れ様でした。(´∀`) (2018年4月9日 3時) (レス) id: 6b5092fe94 (このIDを非表示/違反報告)
桃茶(プロフ) - 御免なさい、三十二話とあとがきが何故か消されていて……形的にはこれで終わりです!閲覧ありがとうございました! (2018年4月3日 13時) (レス) id: d281eb019e (このIDを非表示/違反報告)
悠爽 - 終わるんですか!?とても良い作品だったのに!でも作者さんお疲れ様でした。とても素敵な作品で面白かったです!!! (2018年4月3日 13時) (レス) id: e139e0903a (このIDを非表示/違反報告)
涼(プロフ) - え・・・終わっちゃうの!?・・・・・おもしろかったです!! (2018年4月3日 12時) (レス) id: da69d52ea0 (このIDを非表示/違反報告)
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