十三話 ページ15
昼食を食べ終えてからも、Aは机に突っ伏していた。
何もやる気が起きないのだ。
『……………御免なさい。』
先程から大体五分置きに、Aはその言葉を口にしていた。
時計の針も、三時を指した頃。
─────ガチャリ。
『!』
玄関が開く音がした。
『兄、ちゃん………?』
「────────ただいま。」
その声を聞いた瞬間、Aの目にはまた涙が溢れ出てきた。
『……………お帰り!!』
今までのどんな「お帰り」よりも、その声は嬉しそうだった。
Aは勢いよく立ち上がり、玄関に向かって走った。
然して、未だ其処に居た中也に抱き着いた。
「うおォっ!?」
『……お帰り。お帰り、お帰り!』
中也の胸に顔を埋め、Aは何度も「お帰り」と云った。
『あと………御免なさい!』
「……………俺も、悪かったよ。御免な。あと………ただいま。」
そう云って、中也はAの頭を優しく撫でた。
こうして、中原兄妹の一日限りの兄妹喧嘩は、幕を下ろした。
─────────
─────
──
「そうだ、代わりといっちゃァ何だが、ケーキ買ってきた。其の友達から貰った奴よりも、恐らくうんと高い奴だ。」
『そうじゃなくても、兄ちゃんが買ってきた奴ならなんでも善い。』
「手前は本当に可愛いなァ!」
『そういうの善いってば!』
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桃茶(プロフ) - 詞音さん» ありがとうございます!夜中の3時…!?ちゃんと睡眠も取ってくださいね!w (2018年4月9日 7時) (レス) id: d281eb019e (このIDを非表示/違反報告)
詞音 - 面白かったです!ついつい夜中の3時後まで読んでしまいましたw 他のも見ときます! お疲れ様でした。(´∀`) (2018年4月9日 3時) (レス) id: 6b5092fe94 (このIDを非表示/違反報告)
桃茶(プロフ) - 御免なさい、三十二話とあとがきが何故か消されていて……形的にはこれで終わりです!閲覧ありがとうございました! (2018年4月3日 13時) (レス) id: d281eb019e (このIDを非表示/違反報告)
悠爽 - 終わるんですか!?とても良い作品だったのに!でも作者さんお疲れ様でした。とても素敵な作品で面白かったです!!! (2018年4月3日 13時) (レス) id: e139e0903a (このIDを非表示/違反報告)
涼(プロフ) - え・・・終わっちゃうの!?・・・・・おもしろかったです!! (2018年4月3日 12時) (レス) id: da69d52ea0 (このIDを非表示/違反報告)
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