肆参 敵と味方の間 ページ44
そんなことをがあってから数日。
私は今……ビルの屋上にいる。あ、別にそんな深い意味はないですよ!
全ては、隣で笑うサーモンピンクの兎さんの仕業です。最近私が外で一人のタイミングを狙って、ひょこひょこ兎みたいに出てくる。仕事しろよ!!
ほんとに心臓に悪い………さっきだって。
時は遡る…ってたった数分前だけど。
「お父さん!あれ買って!!」
楽しそうにお父さんと手を繋ぐ女の子。お父さんがいるとあんな感じなのかなぁ。
あれ、なんか手に感触が…
「……あ…はい…こんにちは」
笑顔でこんにちはと言ってくるから、挨拶を返す。
また出た…2日1回は会ってる気がするよ。
そういえば、この手は…
「あの、この手どうにかなりません?」
「あれ?手、繋ぎたかったんじゃないの?」
違いますと頭をぶんぶん振る。
力込めたら手を握り潰されそうで怖い…
「神威さん目立ちます…真選組に見られたら、切腹させられます!」
じゃあここでと、連れてこられたのはビルの屋上。
ここで冒頭に戻る。
本当に人生終わるかと思った。
「Aは何で俺のこと避けないの?一応、敵だと思うんだけど」
「もちろん真選組に手を出したら許しませんよ?
でも、神威さんが狙ってるのは私だって言ったじゃないですか。あの話もまだ信じられないので、敵を知るのも大事かなって」
変わってるね。そう呟いたのが聞こえてきた。
総悟さんにも最初、言われたっけ。
風にそよそよと靡くアホ毛がすごく気になる。孤児院に居た頃のちび達の寝癖をよく直してたっけ。
あれが結構しつこいんだよなぁ…
みんな元気かな?会いたいな。
でも…もう会わせてはもらえないだろうけど。
「君なら大丈夫そうだ。今から話すことは全部本当のことだよ。そして、この前の話の続き」
いつになく真剣な表情。青い瞳は鋭い、まるで獲物を捕らえる時のような鋭い眼差しをしている。
表情で本当なんだと悟る。
曇り出した空。太陽の光は届かない。
深く一度頷くと、神威さんは私から視線を逸らし軽く空を仰ぐ。
「奴らには狙いがあるみたいなんだ。その狙いの意味は俺は知らない。
でも、真選組は何かに気付いてるみたいだよ。少なくとも、一人のお巡りさんはね」
すると、不意にサイレン音が響く。
神威さんの視線が下がったから、視線を追う。
そこには、一台のパトカーと沢山の人集りが出来ている。また攘夷浪士だろうか。
隣に視線を戻せば隣には神威さんはいなかった。
奴らの狙い…か。
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千の歌を歌う人(プロフ) - コロさん» 有難きお言葉です!!すごく嬉しいです!頑張ります!! (2019年7月30日 0時) (レス) id: 1dfb43aa3f (このIDを非表示/違反報告)
コロ - おもしろいです!!更新忙しいかもしれないけど頑張って下さいね!! (2019年7月29日 22時) (レス) id: 21d6130453 (このIDを非表示/違反報告)
千の歌を歌う人(プロフ) - サラダ油さん» ぱっちゃんはですね、主人公が付けたあだ名です!主人公は色んなあだ名を人に付けるもので…見てくれて、物凄く嬉しい限りです!!頑張ります! (2019年7月29日 20時) (レス) id: 1dfb43aa3f (このIDを非表示/違反報告)
サラダ油 - 新八は「ぱっちゃん」じゃなくて「ぱっつぁん」と呼ばれてますよ。面白いのでこれからも頑張って下さい! (2019年7月29日 18時) (レス) id: 3eb4c4dfa2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:くれの | 作成日時:2019年7月24日 22時