残念ながら凡人でした 【銀魂】【沖田総悟】

参漆 新隊士 ページ38

「痛っ……」


朝目覚めると大したことはないが、頭が軽く痛むことが最近多い。
迫り来る闇と反対に遠くなっていく光。そんな夢を最近ではよく見るようになった。

すると廊下を走る音が聞こえて、部屋の前でその音が止まった。



「すいませーん！姉御、会議始まりますぜ」

「あっ…うん、分かった。すぐ行きます」


どうして女中であるはずの私が会議に参加するかというと、何故か最近では帳簿や総悟さんの手伝いをしてる……というか、押し付けられてるんです…
だから時々参加せねばならんとですよ……
いつもの場所に集まると驚いた。
そこはもう教室だった。椅子と机もちゃんとある。




「おーい集まったか？じゃあ、今日は新しく入った新隊士を紹介する。入れ」


えっ？何この転校生が来るときのお約束状況。


「失礼します。初め…うわっ！！いてて……」


うわぁ！！痛そう…
っていうか誰だよ、教壇設置した奴。ノリノリじゃねーかよ……


「大丈夫か！！山野！」

「はい…慣れてるんで……では、初めまして僕は山野八十也(やそなり)と言います。
どうぞよろしくお願いします」


きっとみんな思ったことだろう。
この人……この人、


“『可愛いすぎひん？』”


愛嬌のある笑顔。それでいて爽やかさもある。
山野八十也……きっとモデルは新撰組美男五人衆の一人山野八十八だろう。聞いたことしかないけど。


「山野には一番隊に所属してもらう。分かったか」

“「はい！」”


一番隊か。きっと強いんだな山野さん。
それで、近藤さんは黒板？に名前をちゃんと書いていた。わざわざ買ったのか…これだけの為に？


「隊長よろしくお願い…あれ、寝てる？沖田隊長！起きてください」

「あっ？誰だよてめぇ。不法侵入及び公務執行妨害で逮捕するぞ、このやろー」



「山野の席は…おっ、春村の隣が空いてるな！あそこが山野の席だ。そしたら1時間目始まるぞ」


周りからいいなーという声が上がる。
ちょ待てよお前ら、普通羨ましがられるの山野さんじゃね？私、工業高校の一応女子的な立場なのに…


「初めまして。女性の隣だなんて緊張します…」

「初めまして！春村Aです。山野くんはどうして真選学園に入ったの？」

「守りたいんです…そ「おい！！そこうるせぇぞ！廊下に立ってろ」


二人で顔を見合わせ、笑う。副担任の土方teacherは鬼だからなぁ…


「屯所の案内させてください」

「ありがとうございます」


守りたいか。いい子だな、山ちゃん。

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