拾捌 戸惑い ページ19
沖田さんは愛用のアイマスクを着けて……本物だ!!偽物じゃなくて本物だ!
電気を消した。豆電球がないので部屋は結構暗くなる。端っこにいる沖田さんは見えない。
……別に見たいなんて破廉恥トーストな子ではない…けど、けど少し見たい、、、
確かに……怖い。あの夢を思い出しそう、ていうかもう一回出てきそう。
謝るなら今がチャンスよ!?頑張って!
なんて自分で自分を励ました。
「あの……沖「春村さん。悪いなァ、俺ァ新八君みたいに優しくないんでィ」
さっきから何度か遮られてる気が……
「私の方がごめんなさい!!悪口言う人なんて嫌いなんて……本心にもないことを!」
「えっ…?」
「沖田さんは優しいです。今だってこうして、来てくれたじゃないですか。新八君と、沖田さんの優しさは別物なのに、あんなこと」
「じゃあ、嫌いってェのは?」
「勢いで、飛び出た戯言です…傷つけてしまってごめんなさい…嫌いなんかじゃないですよ………私、沖田さんのこと好きですよ」
「…………」
「沖田さん?寝て…しまったんですか?」
「夜遅いからガキは早く寝ろィ…」
「おやすみなさい、沖田さん」
「……おやすみ」
そう言ってしばらくしてから、聞こえてきたあいつの規則正しい寝息。
嫌われてなくて良かったなんて思いながらアイマスクを付けて、壁の方を向けば顔が少し歪む。
理由は分からねェけど嬉しいんだ。何でなんだ…
いつか、この気持ちが何なのか分かる日が来るんだろうか。
ピピッピピピピ
「………………もう、朝か…」
貸してもらった目覚まし時計を止める。
そうだ…沖田様…じゃない…沖田さんがいるんだ
今ので起こしてないかな?平気かな?
ちらっと襖の反対側を向くとぐっすり寝ていた。
「あっ……冷えちゃいますよ」
掛け布団からはみ出していて寒そうだから、布団を掛け直させてもらった。
……綺麗な髪…
無意識に伸ばした手。触れれば、当たり前だけど暖かい……なんて。
寝ている間にアイマスクは取れてしまったようで、近くに転がっている。
「今だけ。今だけ、、、側に居させて下さい…」
……これ以上知ってしまったなら。きっと、別れ難くなってしまう…
触れた手をゆっくりと離す。私がここに居たら…狂ってしまう、この世界も。この世界の人達も。
……仕方ないんだ。
なんて。自分に言い聞かせてみる
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千の歌を歌う人(プロフ) - コロさん» 有難きお言葉です!!すごく嬉しいです!頑張ります!! (2019年7月30日 0時) (レス) id: 1dfb43aa3f (このIDを非表示/違反報告)
コロ - おもしろいです!!更新忙しいかもしれないけど頑張って下さいね!! (2019年7月29日 22時) (レス) id: 21d6130453 (このIDを非表示/違反報告)
千の歌を歌う人(プロフ) - サラダ油さん» ぱっちゃんはですね、主人公が付けたあだ名です!主人公は色んなあだ名を人に付けるもので…見てくれて、物凄く嬉しい限りです!!頑張ります! (2019年7月29日 20時) (レス) id: 1dfb43aa3f (このIDを非表示/違反報告)
サラダ油 - 新八は「ぱっちゃん」じゃなくて「ぱっつぁん」と呼ばれてますよ。面白いのでこれからも頑張って下さい! (2019年7月29日 18時) (レス) id: 3eb4c4dfa2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:くれの | 作成日時:2019年7月24日 22時