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「・・・お前も大変だな。」
「黛さん。」
今は、試合を眺めている黛さん。目線さえこちらに向けないが嘘はついてないことはわかる。
「でも、ここさえ乗り切ればどうにかやっていけそうなんですよ。死なない限り。」
「そうか。」
「はい。」
そういえばママが死んだのって33。あと半分の人生?そんなの嫌、足掻いて絶対に幸せになる。私にはそれが出来る。ならするしかないよ。
「Aちーん、飲み物頂戴。」
「俺にも貰えるか?」
「あっ、お疲れ様です。」
試合終わりの人達用に急いでタオルと飲み物を置く。
「Aっちー!俺、頑張ってたっすよね!?」
「うん?あぁ、えらいえらい。」
「ちょっと投げやり、、、。」
うん、見てたって。
「赤司っち、平気っすかね?」
大事をとって休ませているだけだ、そこまで心配する必要はない。
「平気だろ、あいつは。きっと今頃暇でなにして良いか分からないとか思ってるだろーから。」
しれっと黛さんも会話に参加している。まあ言っていることはその通りだが。
「そうっすね。」
「だろうな。」
「あっ、Aちゃん!!そろそろ休憩だからこっち来てー。」
体育館の端で、さつきが私を呼ぶ声が聞こえたためそっちに移る。あぁ、さっき監督達が話していたご褒美の話しかな。
「藍堂、なにか好きなものはあるか?」
「えっ?」
隣で待機してたリコさんが、説明してくれた。
「女性陣から選んでいいって、言ってくれたのよ。荒木監督と私は選んだから桃井と一緒に選びなさい。」
「分かりました、ありがとうございます。」
「さつき、好きなのあった?」
クーラーボックスには、色んな種類のアイスが見える。
「うん、私はチョコにしようかな。」
「じゃあ、私は小豆で。」
「あれ、Aちゃん小豆好きだった?」
意外だと感じたようで、さつきが反応した。
「征十郎が好きだから。遅くならないように戻るから、征十郎の部屋行ってくるね。」
「うん、いってらっしゃい!」
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作者名:希奈 | 作成日時:2017年3月29日 15時