知り合いなはずがない【梅原裕一郎】

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梅「久し振り。覚えてないか」


いや、あの…。

確かにユウ兄の事は覚えてないけど、あなたの事は知ってるんです。


だってファンだから。大好きだから。


母「A？」


どうしよう


会ったら死んでもいいって、会ったら死んじゃうって思ってた相手が目の前に居る。


神様、あなたは簡単に死なせてくれないんですね。


こんなに心臓バクバクしてるのに


こんなに息が苦しいのに


まだ生きてる。


母「ごめんね、ユウくん。久し振りだから緊張してるのよ」

梅「大丈夫ですよ。あ、上がってください」


お邪魔します、と言いながらお母さんが中に入って行く。


まって、置いて行かないで、死んじゃう。


え？いいの？超人気声優のお家に上がっていいの？


さてはドッキリだな！



周りを見回してカメラを探すも見つからず。


梅「Aちゃん？」

『！！』

梅「上がって？」


何も言葉を発する事が出来ず、ただ言われた通り上がるしか選択肢がなかった。

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