知り合いなはずがない【梅原裕一郎】

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昼休み


トイレに行った智恵を待っていた時だった。



女「梅ちゃんが知り合いの子預かってるって言ってたじゃん？あれ納得できないんだよねー」


偶然耳に入ってきた言葉。
上履きの色からして同じ学年の子だけど1学年300人以上もいるから誰かなんて分からない。


女2「あー、分かる。なんでわざわざ梅ちゃんが預かるの？って思う。知り合いってだけで親戚じゃないんでしょー？」


どうしよう、なんか盗み聞きしてる気分になる。
でも耳に入ってくるのだから仕方ない。


女3「どうせ梅ちゃんも嫌々預かってるでしょ」

女「それな」


あぁ、確かに嫌々一緒に居てくれてるのかもしれない。


でもそしたらあんな笑顔で対応してくれないはずだ。



女3「どーせその子も下心あるんでしょー」

女2「梅ちゃんと一緒に居られていいよねー。うちらはイベントでしか会えないっていうのに。どうせ梅ちゃんに色目使ってんでしょ」


苛ついた声で発せられる言葉。

そんなことない…
確かに梅原さんがずっと好きだった。

今でも好きだ。

でも下心なんてそんな…



なんで、なんで何も知らない奴にそんな事言われなきゃならない。


梅原さんがファンを信じて発表したっていうのに


なんでその気持ちをわかってあげない。



智「お待たせー。A？」

『あ、ごめん』

智「大丈夫？顔色悪いけど」

『大丈夫大丈夫。早く行こ』


これ以上聞いていたくなくて足早にその場を立ち去った。

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