醜い少女 4 【短編集】【ツイステ】

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「もー、お前は！ほら、寝とけ！」




私の腕を引いたエースくんが、ベッドを指差す。


大袈裟、だなぁ。


たった38.5度で、風邪だなんて。


そう言うと、エースくんは怒った顔をして私を真っ直ぐ見つめた。




「だから！アイツらから言われたことは全部リセット！」


『……リセ、ット……？』




私がエースくんを真似ると、エースくんは「そ！」と頷いて、私をベッドに寝かせた。


どうやら保健医は今出かけているそうで。


エースくんは氷枕や体温計を素早く用意して、私に渡す。


氷枕に頭を乗せ、体温計で熱を測る。……39.3度。




「やっぱ上がってる。……良いか？絶対安静にしとけよ？」


『……はぁい』




慌てたように念を押すエースくんが面白くて、つい笑ってしまった。


その様子を何故か優しい目で見つめ、エースくんは私の頭を撫でる。




「また多分誰かしら来ると思うから。それまで寝とけ」


『……ん、ねる……』




ゆっくりと目を閉じれば、最後に毛布を掛けられる感覚。


暖かさに身体を包まれ、私は夢の世界へと落ちていった。








「ーーー？」


「ーーー」




頭の上で、誰かが話す声がする。


それと同時に、額に冷たいものが置かれる感覚。


その感覚にゆっくりと目を開けると、クルーウェルさんとクロウリーさんが私を見下ろしていた。




『……つめたい……』


「おや、起きましたか」


『……くろうりーさん、て、つめたい……』




額に置かれていたのはクロウリーさんの手で。


私はその冷たさをもっと感じようと、額をクロウリーさんの手に擦り付ける。


「ゔぁ」


『……？』


「こほん、少し取り乱してしまいました。……Aさん、今日はもう部屋に戻りなさい」


『……へや……？』




えぇ、と笑って。


クロウリーさんは私をゆっくりと抱き上げた。……所謂、お姫様抱っこ。


慌ててクロウリーさんに抱き付けば、ほのかに香水の匂いがした。




「ではクルーウェル先生、貴方は授業へ戻ってください」


「了解だ。……早く治せよ、A」




クルーウェルさんがそう頭を撫で。


次の瞬間には、私は自分の部屋へと戻ってきていた。


クロウリーさんが私をゆっくりベッドに寝かせ、毛布を被せる。




「では、安静にしていてくださいね」




そうその場を離れようとするクロウリーさん。


私はつい、その服の裾を掴んでいた。




「どうしました？」


『……いっちゃ、やだ。……そばにいて』

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