醜い少女 4 【短編集】【ツイステ】

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F.L




「じゃあ決まりねぇ」




なんて言ったのが一週間前。


俺らは今、珊瑚の海の南の方にある海へと向かっていた。




「きゃっほー！気持ちいー！」


「フロイド、うるさいですよ」




オープンカーから出た顔を、気持ちいい風が撫でる。


その開放感にご機嫌になった俺は、後ろに座るシロイルカちゃんに話しかけた。


シロイルカちゃんは、長い髪がばさばさと風を孕んで何かおもしれーことになってる。




「シロイルカちゃん、気持ちいいねぇ」


『は、い……！気持ち、いい……です！』




髪の毛を鬱陶しそうに払いつつ、シロイルカちゃんはちょー笑顔。


その隣には、ジェイドが座っている。あ、ちなみに俺の隣はアズールね。


運転席にはウミウマくんがいて、ずーっと洋楽系の音楽流してる。意外と安全運転なんだよ。




「それにしても、車で送ってくださるとは。……ありがとうございます、サムさん」


「全然いーよ。ちょうどオレも、購買の買い出しをしたかったからね」




いつもより少し落ち着いた喋り方で、ウミウマくんは車を操縦していく。


のんびり流れていた洋楽が、いきなりアップテンポなものに変わる。俺、これ好きかもー。




「ーー、ーーー、ーーー」




何語か分かんねーけど、ウミウマくんが歌い出す。


あはっ、何か楽しくなってきたかも。てか、ウミウマくん歌上手いね。


後ろではシロイルカちゃんも楽しそうに鼻歌を歌っていて。


アズールが「良かった」と小さく呟くのが聞こえた。




「……何が良かったのー？」


「？あぁ、Aさんが楽しそうで良かったなぁと思っただけですよ」


「そっかぁ。……俺も、シロイルカちゃんが楽しそうで嬉しーよ」




そう笑えば、アズールが目を見開いて俺を見る。


……あれぇ、なんか変なこと言ったっけ？




「お前が人を気遣えるようになるなんて。僕は感動しましたよ」


「あはっ、アズール締めよっかなぁ」


「やめなさい。冗談ですよ」




そんなことを話している間に、車からは綺麗な海が見えてくる。


久しぶりに来たけど、やっぱり人多いなー。


なんて思ってたら、後ろでシロイルカちゃんが軽く立ち上がるのが見えた。危ねーよ？




『……凄い……！あれが、海ですか？……おっきい……』




そう言うシロイルカちゃんの目は、きらきらと輝いていた。








Q.好きなタイプは？


A.一緒にいて落ち着く人……とか。あと、何も話さなくても一緒にいれる関係に憧れます。

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