第21話 それぞれの前職 ページ22
.
似ても似つかない兄妹とは、まさにこの2人のことを云うのだろう。顔の造作が全く似ていなかったり、妹のナオミちゃんは場所も構わず肉体的接触を試みてきたりと。まあ肉体的接触は谷崎君限定だけど。
両者共に実の兄妹だと公言しているところがこれまた恐ろしいのだ。
「あらお疑い？ 勿論どこまでも血の繋がった実の兄妹でしてよ……？ このアタリの躯つきなてホントそッくりで……ねえ、兄様？」
「いや、でも……」
戸惑う敦君に向かって国木田君が......。
「こいつらに関して深く追求するな！」
なんて云う力強い視線を送ってくるものだから、敦君はこれ以上反論するのをやめて、谷崎兄妹の話から遠ざかろうと新たに別の話題を振った。それぞれ探偵社に入社する以前は、一体何をしていたのかと。なかなか良い質問だと思う。敦君なりに場の空気を読んで話題変更したのだろう。しかしながらその質問に、真っ先に答える者は誰1人としていなかった。
「何してたと思う？」
「へ？」
「定番なのよ。新入りは先輩の前職をあてるの」
そう、これはちょっとしたゲームの1つなのだ。
「はぁ……じゃあ……」
敦君は顎に手を当て、少しばかり考え込んだ。取り敢えずやってやろうということかしら。
彼の視線の先には谷崎兄妹。この2人の前職から先に当てるつもりなのだろうと容易に想像できたところで、敦君が口を開いて云った。
「谷崎さんと妹さんは……学生？」
するとナオミちゃんが興味深そうに問うた。
「どうしてお分かりに？」
「ナオミさんは制服から見たまんま。谷崎さんのほうも齢が近そうだし、勘で」
「やるわねえ敦君。じゃあ国木田君は？」
国木田君はギクッと肩を揺らす。
「止せ、俺の前職など如何でも――」
嫌がる国木田君に対して一切聞く耳を持たない私達は、勝手に話を進めていた。
「うーん、お役人さん？」
「惜しい！ 彼は元学校教諭、数学の先生よ」
「へええ！」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 194人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「文豪ストレイドッグス」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
綺羅(プロフ) - 太宰さんは、スカートなのですか？ (2017年1月3日 10時) (
レス) id: ba54971924 (このIDを非表示/違反報告)
パティー(プロフ) - 奈江さん» いえ、改善点を見つけられたのでこちらこそありがとうございました。 (2016年7月24日 23時) (レス) id: 67fd284f3f (このIDを非表示/違反報告)
奈江 - 確認しました。 わざわざ訂正ありがとうございます。お手数おかけしましてすいませんでした (2016年7月24日 23時) (レス) id: c67595ed82 (このIDを非表示/違反報告)
パティー(プロフ) - 奈江さん» 第1話だけ編集してみたのですがどうでしょうか(^^; (2016年7月24日 22時) (レス) id: 67fd284f3f (このIDを非表示/違反報告)
パティー(プロフ) - 奈江さん» お時間取らせてしまうかもしれませんが、できる限り改善したいと思います。教えてくださりありがとうございました！ (2016年7月24日 22時) (レス) id: 67fd284f3f (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：パティー | 作成日時：2015年11月2日 19時
