検索窓
今日:4 hit、昨日:15 hit、合計:250,024 hit

第16話 残り5秒 ページ17

.


国木田君の異能は手帳の頁に文字を書き、手帳を破って念じると書いた物体を具現化出来るという便利で一際優れた能力なのだ。

「『独歩吟各』手帳の頁を鉄線銃に変える。」

すると直ぐ様国木田君の手元には鉄線銃が具現化された。敢えて谷崎君は狙わず、スイッチ目掛けてワイヤーを放つ。
ようやく彼に隙ができた。

「なっ……」

「確保よっ!」

私の声と同時に、国木田君が谷崎君に向かって飛び出していく。そして彼の顔面に1発重い蹴りを入れた。探偵社の一隅であろうがなかろうが一切手加減はしてくれないようで、見るからにとても痛そうだった。
昨夜、谷崎君を犯人役に仕立て上げた甲斐があったと、ほんのり胸を撫で下ろした。

「1丁あがり〜」

しかしながらこれで終わりなわけがなく、呑気にしていられるのも今のうちだ。

「!」

敦君はこの場にいた何者かによって背中を強く押された。そしてバランスを崩した敦君は勢い余って顔面から床に激突したが、重要なのはそこではない。爆弾魔から奪ったはずのスイッチを瞬時に押してしまったのだ。
止められたはずの爆弾が再び作動する。1度押してしまっては、止めることは難しい。爆弾から静かにカウントダウンが始まった。

「あと5秒!?」

爆弾に何か被せて爆風を抑える手もあると確かに説明したけれど、敦君の行動を見る限りかなり説明不足だったかもしれない。

「なっ」

敦君は自らの身体を盾にして、爆弾に覆いかぶさった。まさか本当に実践するなんて......。
この部屋くらい容易く吹き飛ぶ恐ろしい爆弾だと伝えただろうに。

「莫迦!」

終に、カウントの表示が0になった。

第17話 入社試験→←第15話 落伍者の演技



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (115 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
194人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

綺羅(プロフ) - 太宰さんは、スカートなのですか? (2017年1月3日 10時) (レス) id: ba54971924 (このIDを非表示/違反報告)
パティー(プロフ) - 奈江さん» いえ、改善点を見つけられたのでこちらこそありがとうございました。 (2016年7月24日 23時) (レス) id: 67fd284f3f (このIDを非表示/違反報告)
奈江 - 確認しました。 わざわざ訂正ありがとうございます。お手数おかけしましてすいませんでした (2016年7月24日 23時) (レス) id: c67595ed82 (このIDを非表示/違反報告)
パティー(プロフ) - 奈江さん» 第1話だけ編集してみたのですがどうでしょうか(^^; (2016年7月24日 22時) (レス) id: 67fd284f3f (このIDを非表示/違反報告)
パティー(プロフ) - 奈江さん» お時間取らせてしまうかもしれませんが、できる限り改善したいと思います。教えてくださりありがとうございました! (2016年7月24日 22時) (レス) id: 67fd284f3f (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:パティー | 作成日時:2015年11月2日 19時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。