【リボーン】信じた者を守るため 2 (ページ15)

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未知の存在ページ15

ツナ「いってー!!どこだよここ～」

リボーンに蹴られて穴に落ちてしまったツナ
文字通り、一寸先は闇である
彼のいる空間は冷気が漂っていて、背中に当たった壁はひんやりと冷たく、肌寒い程である

ゴォオオ――

ツナ「ひっ!?な、何!!?」

地響きのような低い音が空間全体に響きわたる
それと同時に、彼が先程すべりおりて来た穴からはらはらと砂埃が降ってきた

そして＿＿

ドササッ!!

ツナ「ぎゃああああ!?」

「重っ…!!テメーさっさと退きやがれ！」
「ハハハッ♪わりーわりー」

ツナ「って獄寺君に山本ォ！？」
獄寺「10代目！そちらですkガンッ!あだっ!?」

カランッコロン…

暗闇で無闇に動けば頭だってぶつけるものだ
例によって、獄寺の頭部から軽快な音がした

獄寺「って～」
ツナ「だ、大丈夫？」
山本「なんか転がったのな」

先程の音を頼りに手探りで辺りを捜索すると、何か棒らしきものが手に触れた

ツナ「木の棒…？」
山本「あ、松明じゃねーか？」
獄寺「10代目！これで火が灯せますよ！」

獄寺が死ぬ気の炎を灯すと、ぼわやりとそこがどのような場所なのかが分かってきた

黒い岩肌が剥き出しで、左右に松明を置く穴が掘られていること以外は、自然のままのようだ
さらに、洞窟のような空間は先が見えないほど深くつづいており、３人が横並びになって歩くのは厳しい程の狭さである

…＿………

獄寺「！」
ツナ「獄寺君、どうかした？」
獄寺「……何か、聞こえませんでしたか？」

そう問う獄寺に、お化けー!?と叫ぶツナをスルーして、そーいや獄寺って耳が良かったのな、と山本が呟いた

獄寺「これは…獣の、唸り声……？」
ツナ「け、獣っ!?」

ボンゴレアジトの菜園は、地下11階で、さらに彼らは数十メートル滑り落ちた
灯りが無ければ食糧も無い
また、酸素も幾分か地上よりも薄いだろう
このように劣悪な環境で何故生き延びることが出来たのか疑問が残る

ツナ「…行こう」
獄寺「！」
山本「ツナ…」

先程までは未知の存在に怯えていたが、うって変わってハッキリと言い切った
その目に覚悟を宿して

ツナ「う、うまく言えないんだけど…なんか、その獣の正体が、…何か大切なことのような、気がして……」

Blood of Vongole

またの名を、超直感

普段は成りを潜めているが、いざというときに役立つ
それは彼の性分を表しているようでもあった

山本「行こうぜ、ツナ！」
獄寺「お供します、10代目っ」

闇を進む背中は、いつになく頼もしく見えた